■魔法瓶の原型から懐かしの魔法瓶まで勢揃い
入口には「まほうびんが生まれるまで」というアニメーション映像が流れ、イギリス人のジェームス・デュワー氏が作ったまほうびんの原型である「デュワー瓶」が展示されています。ここからまほうびんの歴史が始まるんですね。
中に入ると壁一面にまほうびん製品が並んでいます。すごい!
知っているものが多少はあるものの、昭和50年代生まれにとっては生まれて初めてみる製品がたくさんあります。
そもそも象印マホービンは、1918年に市川銀三郎と市川金三郎の兄弟によって設立された市川兄弟商会が始まりとなっています。欧州から東南アジアに広まっていた魔法瓶文化ですが、’23年にはすでに象印マホービンもまほうびんの生産を開始したそうです。
第2次世界大戦に伴い、’42年には一度会社を閉鎖しますが、’47年にまほうびん事業を再開。’48年には協和製作所を設立し、まほうびんの製造、販売を開始します。そして、戦後の第一号製品として発売したのが、この「ポットペリカン」です。
すでに’56年にはボディに樹脂を使ったモデルが登場しており、いま見てもおしゃれなデザインに感じます。
■1970年台以降は見覚えのある製品が!
レバーやフタ中央を押すだけで注ぎ口からお湯が出てくる電動エアーポット。このレトロな花柄のポットに見覚えがある人も多いのでは?
1978年になり、金属製のまほうびんの開発が始まります。軍用の真空容器や海外製品以外には一般用の金属製まほうびんがなかったこの時代、アウトドアで使用する携帯用まほうびんを作ることが大きな目標だったそうです。
’99年に発売された超コンパクトなまほうびんは、コートのポケットや女性のハンドバッグに収まることで注目を集めました。このあたりは私自身もはっきり記憶しています。
ステンレスまほうびんはコンパクト化と軽量化が進んでおり、’88年から’99年の約10年間で同じ容量の水筒でもここまで違ってきているんです。技術の進化がこのように順を追ってわかるのが、まほうびんミュージアムのいいところですね。