■シンプルかつ素材の良さを生かした新デザイン思想
そんなメルセデス・ベンツのラインナップの中で、この夏上陸した新型「CLS」は、クーペの美しさと、高級サルーンのラグジュアリーな魅力を融合させた、まさに、メルセデス・ベンツの“ビジュアル担当”。その証拠にメルセデス・ベンツは、今後のデザインリーダーという重要な役目を、新型CLSに担わせています。
新型CLSの一番のアピールポイントは、なんといってもフォルム。360度どこから見てもアイコニックで、クーペらしく、サイドから見た時のシルエットが流麗で、低くなだらかな弧を描くルーフライン、細くシャープなサイドウインドウなど、全体的にシャープで引き締まった印象。
おまけに、ボディパネルに折り目を入れるキャラクターラインや、エッジを立たせた部分が少なく、スッキリしています。曲面が織りなす陰影によってエクステリアの美しさを表現するという、新しい手法が採り入れられているのです。
そこに息づくのは、メルセデス・ベンツの新しいデザイン思想“Sensual Purity(センシュアル・ピュアリティ/官能的な純粋さ)”。そういえば先日、ファッションモデルの藤田ニコルちゃんが、どのようにして大人っぽくイメージチェンジを遂げたか? という質問に対し「以前は“盛り系のメイク”をしていましたが、大人になって仕事の内容も変わってきたので、徐々に“引き算のメイク”に移行させています」と答えていました。新しいメルセデス・ベンツのデザイン思想も、まさにそれと同じ。大人の雰囲気や上品さは、シンプルかつ素材の良さを生かしてこそ、生まれてくるものなのでしょう。
もちろんCLSは、クーペならではの華やかさも忘れてはいません。フロントには、キラキラと光り輝く“ダイヤモンドグリル”と、片側84個のLEDを搭載したヘッドライトを採用しています。
一方、リア回りのスタイリングは、新しいデザイン思想を重視した結果、つるんとシンプルな印象に。顔と後ろ姿とで好みが分かれるクルマかもしれませんね。
また、新型CLSは、インテリアデザインも華やかで素敵です。まず目につくのは、ふたつ並んだそれぞれ12.3インチの大きな液晶ディスプレイ。これによって機能性を高めているのはもちろん、クリーンな印象と未来的な感覚を演出しています。
そして、センターコンソールの中央には、タービンの形状をイメージした、個性的デザインのエア吹き出し口が陣取っています。そこには“イルミネーテッドエアアウトレット”と呼ばれる機能が搭載されていて、運転席をグルリと囲むように配置されたLEDのラインと相まって、64色から選べるイルミネーションによって車内を華やかに彩ります。
しかも、イルミネーテッドエアアウトレットには、乗員がエアコンの温度を上げると赤くなり、下げるとブルーになるという仕掛けも。ドイツの人たちは、一見、真面目に見えますが、実はその内面には、相当な遊び心を秘めているのかもしれませんね。
(文/吉田由美 写真/&GP編集部)
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