重量の理由は21700電池。いわゆる大容量電池です。現時点でこれを採用しているのはACEBEAMだけですが、そのうちフラッシュライト業界全体に普及するかもしれません。そんな予感がする大容量っぶりです。バッテリーボックス別体よりは一体式の方が好きで、なるべく電池容量を稼ぎたいという人には目的が合いそうです。
特殊な電池ですが、ライト本体に充電機能がついているので安心です。これももはや定番です…。が、この処理はビビりました。まさかのスケルトン仕様。この透明カバーは樹脂でできていて、肉厚もあり安心ですが、防水機能はないようなので、充電時は水に濡れないところで使用してください。
使用LEDはXHP70.2。リフレクターはオレンジピール(テクスチャード)タイプ。リフレクターに対してLEDがデカすぎるくらいデカいので、拡散具合はなかなか程よいと思います。ワイドながら中心部はやや明るく、室内で使用するには程よい配光かと思います。レンズ式や、リフレス(反射鏡がない)タイプの場合、壁面を照射するには良いのですが、多少奥行きがある場合は奥が暗く感じます。「H30」の大LED+小さなリフは、室内向けにはベストかもしれません。
4000lmありますから、明るさは絶大です。特に周辺光が豊富なので、明るい印象を受けやすい視界。4000lm…何に使うんでしょうね、ちょっと想像もつきません。
個人的に、もうひとつ特徴的だと思うのが120ルーメンのLOWモード。普段50ルーメン程度を「手元足元用」と説明することが多いのですが、足場が悪い山岳やキャンプ地では100ルーメン程度あるとストレスなく進めます。そういう意味では120ルーメンのLOWで公称値ながら24時間近く引っ張れるのは素敵です。
向かって右がメインスイッチ、左がモードスイッチ。いずれも基本操作はクリックです。モード数はかなり豊富で、ULTRA LOW:1ルーメン、LOW:120ルーメン、MEDIUM:380ルーメン、HIGH:1100ルーメン、TURBO:2200ルーメン、TURBO MAX:4000ルーメンと6段階。全体的に、電池容量に物を言わせたパワフルな設定です。LOW側がきめ細やかな設定のメーカーは年々減っています。ひとりで使用する場合にはいいのですが、グループ行動になるとLOWがくらい方がいい場合も多いような気はします。が…これも時代の流れですかね。
そのほかにも、サブにRED&GREENのXP-E2を搭載しています。綺麗にフロスト処理をされており、よく拡散されていて見やすいものです。
いずれも、一般的なヘッドライトに搭載されているものよりもかなり明るめに感じます。これも普通の人は何に使うのでしょうかね…。メーカー的には、赤は夜目を保護するため、緑は草食の哺乳動物が認識しにくい色なのでハンティング用としています。しかしそれにしても明るいと思います。
そうそう、「H30」はSOSモードが搭載されていますが、その際の点滅はこの赤色LEDが受け持ちます。そのため持続時間も長く、霧などを透過しやすく、被発見率を上げられます。これは正直、良いアイディアだと思いました。
ややゴツめのボディですが、明るさと電池の容量を計算に入れれば、我慢できる重さかなと。その分かなり安定して自立できるので、便利な側面もあります。
1.6分の制限付き4000ルーメンで一体何を照射させるつもりなのか…。ACEBEAMの意図は全くわかりませんが(笑)、できるのならやりたいと思うのが人間のサガでしょう。技術実証機のような大光量ヘッドランプ「H30」、いかがでしょうか。(アカリセンター価格:1万4800円)
>> 連載[Gear Maniax]
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(文・写真/>> アカリセンター)
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