ちなみに、昔ながらの紳士時計的な「シルバー or 白文字盤のバーインデックス」は、編集さん曰く「オッサンぽい」ということでNG。むむぅ、あのデザイン、私は好んで選んでしまいがちなのですが…。シンプルでカッコイイんですけどねぇ。
以上の条件を考慮しつつ、ネットでザックリと探してはみたものの、コレがまた結構悩む悩む。一番の悩みどころは、やはり「オッサンぽくなく、それでいてスーツやジャケットに似合うルックス」という条件。「オッサンぽくない→カジュアル」の方向で捉えてしまうとスーツやジャケットには似合わなくなってしまいます。この条件に合致する絶妙な領域を狙っていかねばなりません。
さらには、「れっきとした時計メーカーのモノ」ということなので、私がよく「AliExpress」で購入するアヤシイ時計ブランドの中国産腕時計は今回出番ナシかな…。
1万円以下ということで、 ひとまず国産ブランドの中古品辺りかなぁ、と思ってもみたり。 やはりコスパにおいては国産が強いですからね。
そんなワケで、 まずはセイコーやシチズンの中古品を物色してみると、 それなりに古めの中古品が多くヒットするのですが、 あまり状態が良くない傷みや小キズが入ったモノばかり。 まあソコは私が磨いたり手入れすればイイや、 と考えていたのですが、 国産の古いタイプだとケース径が40ミリに満たないモノばかり。 このままでは見つかる気がしないので、 あまり玉数が豊富ではないのですが、 海外の廉価帯ブランドも検索対象に含めて探すことにしました。
とまあ、悩むこと数日…。ディスプレイを凝視する日々が続いていたのですが、ある日「ヤフオク!」にて、「コレは…!」とビビッと来た腕時計を発見しました。それが今回ご紹介のコチラです。
「BULOVA(ブローバ)」のクオーツクロノグラフ。ブローバと言えば、今はシチズングループとなりましたが、音叉式ムーブメント「アキュトロン」などで有名な、れっきとした腕時計ブランド。メタルブレスレットは付属していないものの他の条件はすべて満たしていそう。
「むむ〜、メタルブレスではないが、どうしたものか…」
と考え込むこと数十分。ふと足元のガラ箱に目をやると、ソコには余って使っていない社外品のメタルブレスレットが。「ブレスレットはコレを使うか!」と、思った次第。
そうと決まれば、後は落札するのみ! …なのですが私以外にも需要があったらしく、思っていたより競合して落札価格が競り上がってしまい、送料込みで9765円也。うーん、予算ギリギリでゴメンなさい(苦笑)。
届いた実機を手にとって見てみると、なかなかイイ面構え。文字盤のアラビアインデックスは適度な立体感があり、安っぽさは感じません。奇をてらわない普遍性を感じさせるデザインでありながら、インダイヤルと干渉する位置の数字、6、9、12を小さく配置するなど特徴的なポイントもあってカッコイイじゃないですか(その①)。
ムーブメントはミヨタ(シチズン)の0S10。何年前のモデルなのでしょうね…。電池は交換済みとの記載があって実機も問題なく作動していたので、そのままに。ケースや風防には少々キズや汚れがあったので、少しだけ研磨しました。
コチラがいつぞやに買ったまま我が家で放置されていた、社外品メタルブレスレット(安物)。ケースとの接合部分であるフラッシュフィットの形状が、このままではフィットしないので、少し「合わせ」の作業をしなければいけませんね。
削って、広げて、曲げて…と数時間。少しずつ形状を変化させてはケースに当てて、その都度チェック。
そんなこんなで加工の作業を無事終えて、メタルブレスレットを装着! なかなかしっくりと来る組み合わせで、カッコイイじゃないですか(その②)。
ケース裏側はこんな状態。裏蓋はスナップバック(はめ込み)タイプで、センターにはブローバの音叉をモチーフにしたロゴマークが入っていて、カッコイイじゃないですか(その③)。
腕に巻いた状態はこんな感じ。依頼のとおり、ジャケットにも相性バッチリで、カッコイイじゃないでs…ハイ、もうコレくらいにしておきます(汗)。
あとは発注元が満足してくれるかどうか…。編集さんには実物に直接触れてもらいたかったのですが、今回のレポートまでにはその時間が作れそうにないので、ひとまずは画像を見てもらうことに。この反応次第では私の時計ソムリエとしてのプライドはズタズタに引き裂かれてしまう可能性もありますからね、ドキドキです。
画像を送り待つこと数分…。
すると「あら、いいじゃないですか」との返信が来たのでホッとひと安心。全体の雰囲気や文字盤の色も気に入ってもらえたようで、いやぁ良かった、良かった。
「でしょでしょ!? だって俺が選んだんだもの!」なんて返信はしませんでしたよ、ええ、私だってイイ歳した大人ですから。思ってはいましたけど(笑)。
とまあ、結局クオーツモデルを選んでしまい、正確には“チプメカ”(チープメカニカル=廉価帯機械式)ではなかった今回ではありますが、「イイ腕時計を選んだぞ!」と充実感はひとしおのレポートでした。
>> 連載[安価機械式「チプメカ」マニアの1万円以下腕時計購入記]
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(文・写真/伏せ字)
腕時計好きの趣味が高じて、記事を執筆することに。一介の時計好きサラリーマン。好きな時計の傾向は、ダイバーズ、青焼き針、56系LM。
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