■まるで“ブリンカー”? パナソニックが不思議な端末を発表
安蔵:パナソニックがウエアラブル端末「WEAR SPACE」を発表し、クラウドファンディングサービス「GREEN FUNDING」でプロジェクト支援の募集を開始しました。12月11日までに1500万円の資金を調達しないと商品化しないという「オールオアナッシング」タイプの調達方式です。
奈津子:ノイズキャンセリングヘッドホンと、視野を狭めるパーティションが一体化したような機器ですね。
安蔵:集中力が途切れやすい競走馬に装着して前の方だけ見えるようにする「ブリンカー」のようだとか、海外メディアでもかなり話題になりました。「モーレツサラリーマン」って感じですよね(笑)。
奈津子:これを装着すると視野角が80~90度になるそうです。装着してみると、しっかりと固定されますし、確かに意識は前の方に集中します。でも正直なところ、まだこれを人前で装着するのは恥ずかしいですね。私自身ここ数カ月でコワーキングスペースを利用するようになったのですが、知らない人たちの前ならなおさら恥ずかしくて使えそうもありません。
安蔵:コワーキングスペースに「マイWEAR SPACE」を持っていくのではなく、コワーキングスペースで貸出サービスなどがあれば使いやすいかもしれないですね。
奈津子:周りがみんな使っているなら平気かもしれません(笑)。ユニークで良い製品であることに変わりはないので、このユーザーの恥ずかしさの壁をどう乗り越えさせるかだと思います。
安蔵:“グローバルニッチ”を標榜してニッチな製品をグローバルに販売しているCerevo(セレボ)を起業した岩佐琢磨さんが、CerevoからスピンアウトしてShiftall(シフトール)を起業しました。そのシフトールがパナソニック傘下になり、パナソニックの中から出てきた“とがった”アイデアが、こうやって日の目を見るようになってきました。
まだプロジェクト自体は成功していないので、実際に日の目を見るかはまだ分かりませんが、パナソニックが“大企業病”から脱却しようといろいろな動きを見せているので期待が高まります。
奈津子:岩佐さんが「シフトールは赤い血を持つ大企業に“緑の血”を流し込む輸血係だと思っている」と話していたのが印象的でした。大企業になってエッジの効いた鋭い製品を出しづらくなってきたなか、こういった新たなものづくりへの挑戦には期待したいですね。
■ランナー向けの防汗・防水Bluetoothイヤホンが登場
安蔵:米国の「JayBird」ブランドから、スポーツ向けのBluetoothイヤホン「JayBird X4」と「Tarah」の2機種が登場しました。
奈津子:「Tarah」はメキシコ北西部の標高2000m級の山岳地帯に住む先住民で、走ることを愛する民族と言われる「タラウマラ族」にインスパイアされた名称だそうですね。
安蔵:どちらのモデルも最近はやりの「完全ワイヤレスイヤホン」ではなく、左右のイヤホンがつながっているタイプで、防汗・防水対応です。1mの深さに30分沈めても浸水しない「IPX7」の防水性能を実現しています。
奈津子:以前のモデルから同程度の防水性能はあったのですが、ユーザー側が「IPX」の表示を求めるために表記するようになったそうですね。
安蔵:ランニング中は汗をかきますから、そこはどうしても気になるところですよね。
奈津子:「X4」は「Tarah」とドライバーやベースは同じなのですが、イヤーチップとイヤーフィンが別になっていて、自分の耳に合わせてフィットしやすくなっているのが大きな特徴です。
安蔵:連続再生時間はTarahが6時間で、X4が8時間。約10分の充電で約1時間使用できる急速充電機能も備えています。
奈津子:実際に装着してみると、頭の後ろに回すケーブルを絞って長さを合わせられる点がいいですね。耳へのフィット感も良くてかなり密閉されるので、ランニング中はしっかり周りに気を付けてほしいです。移動中も愛用するようになって1カ月くらい経ちますが、音質もなかなかいいです。
安蔵:低音がしっかりしていますし、スマホアプリでイコライジングできるのもいいですよね。
奈津子:ランナーはもちろん、音質にこだわりがあるユーザーにもおすすめです。