ボデイは樹脂製で非常に軽量です。一昔前の方なら重厚感を求めたりするのかもしれませんが、実務ならこっちの方が楽でしょう。
SUREFIREなのに、ボタンが3つもついている。お得ですね(笑)。通常使用で操作するのはプライマリスイッチとタクティカルスイッチのみ。プログラミングスイッチは緊急モードとモードチェンジにしか使用しません。
操作方法は取説に任せますが、プライマリスイッチはLOW-MED-HIGHの3モード、タクティカルモードはHIGHのみを扱えます。実にSUREFIREらしくない(笑)仕様です。
プライマリスイッチは、クリックを繰り返していくとLOW-MED-HIGH-OFFの順で点灯します。この点灯順序がモード1。モード2では逆順になります。2秒以内にクリックすると次のモードへ移行しますが、2秒以上点灯した場合は次のクリックで消灯します。
なかなか悪くない仕様ですね。こちらを使う場合は緊急性が低いと思いますので、良いと思います。切り替え方法は後ほどご案内します。
タクティカルスイッチはHIGHオンリー。こちらはモメンタリ点灯のモード1と、コンスタント点灯のモード2に分かれます。モメンタリのモード1では、2タップ&長押しでストロボが使えます。Z2-S、AZ2-S、M3LT-Sなどで採用されていたあの動き。
光学系はSUREFIREの最新オプティクス、MAX VISIONを搭載しています。同心円状の段差を持った特徴的なリフレクタ。奥に鎮座するLEDは公表されていませんが、XM-L2かと思います。マックスビジョンのリフレクタとはとは非常に相性の良いLEDです。
明るさを順に見ていきましょう。
まずはLOW 5ルーメン。非常に控えめな明るさ。完全な暗所でも行動できる必要最低限といった感じでしょうか。この明るさで走るのは無理ですが、そろそろと歩くには十分ですし、手元書類の確認もできます。
MEDは250ルーメン。十分ですね。個人的にはマックスビジョンで200ルーメン前後の光が欲しいとずっと思っていたので、ちょうど良く感じます。不満のない明るさで点灯時間も長く、使い勝手が良いですね。
HIGHは650ルーメン。マックスビジョンなので、均一な視界が得られ、こうした奥行きがある場所では実に見やすい。日本ではサバイバルゲームでしか体験できませんが、室内戦のライトを選ぶならマックスビジョンは鉄板だなと思えます。
スモークショットでも良い拡散ぶりが伺えます。MAX VISIONの拡散光は、照射範囲が広いわけではありません。周辺光の広がりはほどほどといったところです。
また、中心光もレンズ式のライトのように均一ではありません。中心照度は照射の中央に向けて緩やかに高まっていきます。
そのため、多少奥行きがある狭い場所でも均一に感じられる照射視界を得ることができます。
最近のライトらしく、充電式。プライマリスイッチ、プログラミングスイッチのすぐそばにあるのでわかりやすい。インジケーターは電圧が低い方からレッド、イエロー、グリーンになっています。
グリーンになったら充電完了。
点灯中は常時パイロットランプが点灯します。少し珍しいのは、グリーンの表示範囲が残量95~100%の領域のみで、非常に狭いことです。一般的には50%くらいまではグリーンを表示します。
SUREFIREとしては「任務前にグリーンだったら大丈夫!」的なコンセプトなのだと思われます。その分イエローの表示範囲が非常に長く、レッドが点灯したらすぐに充電が必要です。
ちょっと試してみたところ、DBR用のV95ホルスタが不満無く使用できますね。逆さにして軽く降った程度では抜けません。抜き差しも楽ですし十分流用できます。
新機軸を盛り込んだPLR-A STILETTO。面白い商品です。タクティカル性とユーティリティ性を別系統の操作で使い分ける…というのは中華系メーカーの得意技でしたが、いよいよSUREFIREも参入を強めてきました。新時代の基準になるかどうか。個人的には多段調光のできるマックスビジョンとしても貴重。使い勝手の良さを予感させるライトです。(アカリセンター価格:1万5863円)
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(文・写真/アカリセンター)
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