今回ご紹介する「CR270」は、そんなワーク系ヘッドランプの第一弾となる製品で、単四電池3本使用のコンパクトで軽量なモデルです。
SILVAのワンピースタイプのヘッドランプは概ね非常にコンパクトな設計を重視していますが、「CR270」も例に漏れずバッテリースペースが本体のほとんどを占めています。実際に頭部に装着してもその重さはほとんど気になることはないくらい軽量です。
LEDライトは二灯付いていて、それぞれ異なる配光を同時に照射します。
向かって左はフロスト仕様の曇ったレンズで拡散光を発し、右はクリアーである程度遠方を照らす能力を持ちます。これらの光を同時に放つことで、死角の無いワイドで見通しの良い配光を得られます。トレイルランナーシリーズでもお馴染みのインテリジェントビーム配光と同じ性質です。
スイッチはボディ頭頂部にひとつあり、一回押すとHi、二回押すとLow、三回押すと点滅のサイクルモード。消灯は長押しです。ワーク系のヘッドランプでは常時点灯がメインとなることも多く、オペレーションとしては使い勝手の良いものかと思います。
実際にスモークの中で照射しても、左右で光軸の濃さ、広がりに違いがみられます。左がクリアーで、右がフロスト。左の方が光軸が太くて濃いですよね? こうしたビームから生み出される配光はヘッドランプを使用する環境で効果を発揮します。
例えば工事現場。手元、足元にしっかりとした強い光を当てながらも、その周囲も広く照らすことで、作業だけでなく、足場の安全確保にも役立ちます。朝夕が暗いこの時期ではヘッドランプは欠かせない道具のひとつかと思います。Hiモードでの明るさは270ルーメン、3AAAのヘッドランプとしては十分に明るく、また熱も発し難く効率的な照射が可能です。よほど周囲が明るくない限り、この明るさで不足ということはないと思います。
ワーク系のヘッドランプで重要なポイントとなるのが、中心光の明るさです。無駄に明るいのは論外ですが、あまりスポットが無いのも心もとないものです。個人的にはやや強めに照らしてくれた方が使い勝手は良いと感じます。なぜなら、仕事に集中する意識と、確実にポイントを照らすことでミスのない動作を行えるから。確かに全体をホワっと照らすのも良いですが、確実に決めるポイントは明るく照らしてほしい。その点においても「CR270」は要求を十分に満たしていると思います。
屋外においても照射距離は十分に得られます。足場だけでなく、その周囲とその先を同時に照らせることは安全面において非常に重要なこと。頭部に付けたヘッドランプだけで自在に現場内を移動、作業を確実に行えることは素晴らしいことかと思います。
サブLEDとして赤色LEDによる照射が可能です。消灯時からスイッチ長押しで赤色灯が点灯します。点灯以外にモードはなく、誤動作を避けた仕様と思われます。夜目の保護の他、バッテリーが少なくなった時にエマージェンシー的な使い方としても有効かと思います。
消灯時にはバッテリーの残量を示すインジケーターが短時間ですが点灯します。緑ならば十分、オレンジでは要注意、赤の場合は要電池交換となります。電池交換時の目安なりますね。
屋内での照射。こちらも手前から奥まで過不足の無い配光。道路工事や建築現場などの屋外から、電気工事や庫内整理などの屋内まで関係なく使えます。防水性能はIPX5と十分あり、天候を気にすることなく作業にあたれます。
ヘッドバンドの内側にはシリコン素材が張られており、作業用ヘルメットにもクリップなど付けなくても安定して装着が可能です。もちろん、クリップ等を付けた方が確実ですけどね。
ボディやヘッドバンドに入ったオレンジがアクティブギアを連想させてカッコ。これまでのホワイトをベースとしたスポーツラインよりもタフネスな印象を受けます。
SILVAのワーク系ヘッドランプ「CR270」はいかがだったでしょうか? 今後も明るさやバッテリーソースの違いでいくつかモデルがリリース予定となっております。SILVA製品としては比較的価格が手頃で高性能、既存のワーク系ヘッドランプでは満足できない、こだわりのプロフェッショナルに使ってほしい一品です。(アカリセンター価格:3831円)
>> 連載[Gear Maniax]
[関連記事]
[Gear Maniax #104] 赤&緑も搭載!さらに謎なぐらい大光量なヘッドランプ
アウトドアというよりDIY系?4WAY仕様の変わり種ヘッドライト
(文・写真/アカリセンター・HATTA)
通販サイト・アカリセンターで懐中電灯の専門販売員をしておりますHATTAと申します。世界中の懐中電灯やギア物をお客様に紹介しております。ブログも絶賛更新中!
>> アカリセンター
- 1
- 2