「SE-C4BT」は、有線タイプ「SE-C1T」と同時に発表された、4色カラーバリエーションの低価格ワイヤレスイヤホンです。強磁力な希土類マグネット搭載の高感度ドライバーを採用しています。
左右がケーブルで繋がっているタイプです。市場のトレンドは“完全ワイヤレス”に流れつつありますが、予算的にはどうしても1万円近くなる。ワイヤレスイヤホンでも、首周りのケーブルがシンプルなタイプで安ければ、まだまだアリ。冬場ならコートやマフラーで肌に触れないし、音飛びの問題が発生しづらいというメリットもあります。
今回試した「SE-C4BT」のカラーはボルドーレッド。素材はプラスチックなんですが、リモコン部からイヤホン先端部分までワントーンのカラーは、デザイン的にも使いやすいと思います。
イヤーフィン等の装着性アップの付属品はありませんが、“イヤーダイレクトマウント構造”で耳にギュっと収まります。そもそも左右はケーブルで繋がっているので、落下の心配はナシ。ただし、首周りにリモコン部がぶら下がる構造になっていて、気になる人は多いかもしれません。
ケーブルの途中には、ボリュームキーとトラック送りを兼ねる+/ーボタンと、マルチファンクションボタンが付いた“コントロールボックス”を搭載。装着時には首もとにピッタリ付く形になるので結局スマホで操作してしまう事も多いですが、ペアリングの時などには使えます。
このコントロールボックスに付いているボタンは、再生操作だけでなく音声アシスタントの呼び出しにも対応するという多機能っぷり。なのですが、2回押しでいきなり通話リダイヤルで発信してしまうのは、ハンズフリー通話の習慣がない日本人的には誤操作が怖いかも。一方、連続再生は最大6時間で、低価格モデルとしては十分なスペックも確保していいます。
iPhoneとペアリングしてさっそく音楽を聴いてみると、これがなかなか良い音。いつもリファレンスとして使っている宇多田ヒカルの『あなた』を聴くと、女性ボーカルをクリアに引き立てつつ、中域は響きをつけて鳴らすタイプ。低音もゴリゴリとした質感で、気持ちの良いバランスです。Bruno Marsの『24K Magic』も、音のライブな広がりをしっかり出すタイプ。男性ボーカルは前に出るタイプではないのですが、パンチの強めの低音とともに絶妙なバランスです。低価格でも、上手くチューニングを施した良い音ではないでしょうか。
ワイヤレスイヤホンで予算3000円となると、サウンドとして“ハズレ”のモデルもあるんですが、きちんと音質を語れるレベルにまとめているのは、さすがは日本の老舗オーディオメーカー。“イヤホンに1万円出すだなんて信じられない!”という人にとっても、安くてちゃんと音楽を聴けるイヤホンとしてオススメの一台です。
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(取材・文/折原一也)
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