■炭火料理
ステンレス製の焼き網が付いています。しっかりとしているので、スキレットなど重い鍋でも安心して載せられました。
手元で風量を変えて火力を調整できるのは、結構便利です。ただし焼き網が広く、また本体側面がメッシュで熱がこもりにくいので、炭の量を変えて保温ゾーンを作ると食材がぬるくなってしまうことも。このあたりの調整は経験を重ねるしかありません。
付属の網は片側に小さくワイヤーが出っ張っています。この部分を本体に載せて、スライドさせれば燃焼させた炭の上でも安全にセットできるんですね。また、網が横にずれにくいという役目も担っています。
分厚いステーキを焼くアメリカ生まれのブランドですから、焼き網の間隔は広め。日本の焼き肉用の薄切り肉や野菜は隙間から落ちてしまいます。串を使うか、手持ちの網を載せるなど工夫が必要です。ちなみに、写真はユニセラの焼き網です。
■機能
バッテリーパック内のファンが生んだ空気は、両脇と底に伸びる3本のパイプを伝って燃焼室内に送られます。パイプには全部で51個の穴が開いてます。底のパイプの上に燃料ラックが乗っているので、雑に薪を載せても空気が遮断されることはありませんし、うちわや火ふき棒がなくても大丈夫。炭の場合は、上部のパイプからの空気が威力を発揮します。
長さ35cmの薪が余裕で入ります。45cmくらいの長めの薪でも困ることはありません。
ファイアピットのバッテリーは10400mAh。内蔵ファンを5〜24時間回せますが、焚き火の間、ずっとファンを回すことはありません。本体が全面メッシュで空気が入りやすい構造ですし、燃料ラックに灰がたまることはありません。そのためファンを回すのは薪への着火、炭火での火力コントロールなど1泊のキャンプであれば稼働時間はのべ2時間で事足ります。「キャンプストーブ2」や「ベースキャンプ」とは違い発電・蓄電はできませんが、スマホへの充電に使っても大丈夫。
風量調整は、専用アプリでも行えます。スマホとBluetoothで接続してちょっぴり離れた場所でも風量をコントロールできるんです。焚き火をしたまま無人になることはありませんが、一度チェアに座ったら立ち上がるのは面倒。座ったまま、立ち上がることも、手を伸ばすこともなく焚き火をコントロールできるんですね。ひとりで撮影しているときなんかは、カメラを構えたまま風を送って炎の勢いをコントロールできることにも感動しました。
また、アプリは稼働時間を確認するのにも使えます。
耐熱塗装炭素鋼の本体はX-Rayメッシュと名付けられ、炎の様子がよくわかります。ガラス窓を搭載した薪ストーブはススで汚れて見えづらくなることがありますが、ファイアピットならその心配はなさそうですね。
底にスライド式の扉が付いています。灰はこちらから取り出して処理できます。約9kgの本体をひっくり返す必要はありません。
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発電・蓄電機能が搭載されていないのは少々残念ですが、「キャンプストーブ2」や「ベースキャンプ」は余った電力を出力。バッテリー容量に余裕があるほうが、安心なのかもしれません。
また、「ファイアピット」はバッテリーパックの装着されていない3方向から炎の様子がよく見えます。夜見ると、まるで焚き火が宙に浮いているかのようです。深いボックス状の燃焼室ですが、ファンとメッシュのおかげで薪の組み方に四苦八苦するなんて過去のこと。
何よりも発生する煙が少なく、クリーンな焚き火を楽しめますよ!
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(取材・文/大森弘恵)