やはり注目は、そのスタイル。完全ワイヤレスイヤホンとしては例のない、耳掛けフックスタイルのイヤホンになっています。
人間工学に基づき設計されたという、耳にフィットするアラウンドイヤータイプのフックの採用は、完全ワイヤレス登場時からある“落下しそう”という不安に対する明確な回答ですよね。
イヤホン本体には、プレミアムナノコーティングが施されたというマットな質感のABS樹脂が使われ、ハウジングのうちフックの部分はアルミ素材。ホワイトでは、アルミ部分はピンクゴールドという組み合わせになっています。
フック付きととなるとスポーツ志向かと思われがちですが、上質なデザインはエレガンスといった面持ち。ただし防水性能はIPX5まで対応しているので、ブラックなら普通にスポーツ用として紹介したかもしれません。
イヤホン本体はタッチ操作対応ですが、軽く触れるのではなく、しっかり押すと反応するイメージ。再生/ポーズは左右どちらでも1回タップ、曲送り/戻しは左右それぞれを2回タップ、音量操作には対応していません。
装着する時は、付け根部分が柔らかく可動するフックを抑えて、耳に掛けるようなイメージ。イヤホン部分は大きめで少しはみ出しますが、落ちる気配は全くありません。
フックもあるので重量91gはと最重量級です。装着性の観点でいうと、標準のイヤーピースが低反発ウレタンのフォームチップになっているのも落下を抑えるポイントになっています。ちなみに標準のイヤーチップも付属します。
付属の充電ケースも本体と合わせた2トーン。ホワイトとゴールドではファッション小物のアクセサリケースのような雰囲気です。ただし、フック付きの「EOZ AIR」がそのまま収まる形状なので、64×82×31mmとコンパクトではありません。
バッテリーは「EOZ AIR」の本体のみで連続再生時間5.5時間ですが、大きめのケースのお陰で最大90時間。しっかりと持ち歩き時間重視と考えると、結構アリです。
では、iPhoneとペアリングしてサウンドをチェックしてみましょう。
宇多田ヒカルの『あなた』を聞くと、サウンドはナチュラルに空間を広げるタイプです。声の帯域をクリアに鳴らすタイプと呼ぶよりも、包み込まれるような音場感と、ゴツゴツと実体感ある低音を鳴らすタイプですね。「EOZ AIR」の内蔵ドライバーは8mmのグラフェンコーティングドライバーなので、音のナチュラルさと臨場感重視です。Bruno Marsの『24K Magic』では、低音のエネルギー感は十分。ただ、音の広がり方に少し癖があり、少し遠く位置から音が鳴るようなイメージです。
完全ワイヤレスのなかでも、装着性とファッション性で差別化した「EOZ AIR」。数ある完全ワイヤレスから、スタイルを決め手に選びたい人に向けた選択肢になりそうです。
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(取材・文/折原一也)
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