【アウディA7スポーツバック試乗】走りもデザインも使い勝手も、全方位的に“ハンサム”!

イギリス人はしばしば、カッコいいクルマのことを「ハンサム」と表現しますが、A7スポーツバックは、まさにそれ。マスクの良さに加え、低く、広く、硬質な塊感のあるスタイルが素敵!

ボディサイズが全長4990mm、全幅1910mm、全高1430mmですから、A6を前後左右に少しだけ伸ばして、高さを抑えたカタチになります。その骨格、アルミとスチールを組み合わせた“AUDI Ultra”こと高剛性ボディは、A6譲り。

リファインされたA7は、フロントグリルが六角形になり、前後バンパーの造形もよりスポーティになりました。また、ヘッドランプ下にLEDをズラリと並べ、ウインカーは内側から外へと光が動いて見えるように。それを見た人が思わず「デコトラみたい」と呟いたのはヒミツです。

室内は、黒とシルバーを基調としたスポーティな仕立て。シートやステアリングホイールに使われる革、インパネやドア内張りの樹脂など、素材を超えて“黒の調子”が合わせられているのに感心します。こうした細かい配慮が、アウディならではの“上質感”につながるんですね。

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着座位置は低め。流行りのSUVから乗り換えた人は新鮮に感じるかもしれません。軽めのステアリングホイールを握って走り始めると、実にスムーズなドライブフィール。

全長が5mに達しようとするボディを、わずか2リッターの4気筒エンジンで走らせるのですが、アウディ自慢のTFSIユニットはターボの過給を受けて、わずか1600回転で最大トルク37.7kg-mを発生(最高出力は252馬力/5000〜6000回転)。7速のデュアルクラッチ式ギヤボックス=“Sトロニック”が、次々とギヤを変えて好ましいトルクバンドを維持してくれます。

スロットルペダルに軽く足を載せるだけで、2.0TFSIクワトロは十分に速い。大排気量エンジンの余裕も捨てがたいけれど、エコが声高に叫ばれるご時世、2リッターモデルの方が知的に見られるかもしれません。

インテリジェントといえば、流麗なボディスタイルゆえ忘れがちですが、A7のリアはウインドウとともに開くハッチバックです。ラゲッジスペースの容量は、ちょっとしたステーションワゴンなど相手にしない535リッター! さらに、リファインされたA7は、リアシートが2人掛け仕様から3人掛け仕様に変更されています。いざとなれば“5人乗れる4ドアクーペ”になったのです。

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「セダンの快適性」「クーペの優雅さ」「ワゴンの実用性」を兼ね備えたと謳われるA7スポーツバック。もはや趣味人の手にだけ委ねておくのは、もったいないかも!?

<SPECIFICATIONS>
☆2.0TFSIクワトロ
ボディサイズ:L4990×W1910×H1430mm
車重:1840kg
駆動方式:4WD
エンジン:1984cc 直列4気筒DOHC ターボ
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:252馬力/5000〜6000回転
最大トルク:37.7kg-m/1600〜4500回転
価格:716万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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