■証言1「自然にとって必要なこと」
マイクロバスに揺られること約2時間。コスタリカの首都サンホセから南へ約70km、標高1400mを超える山の中にLa Candelilla(ラ・キャンデリラ)という小さなコーヒー農園があります。
かなりワイルドなドライブの末にたどり着いたのは、急峻な地形の中にコーヒーの木が広がる、まさに小規模農園を絵に描いたような場所でした。
ここでは、サンチェス家の7つの家族が7ヘクタールの農地をシェアしてコーヒーの木を栽培しています。
そしてここには、小規模農家では珍しいコーヒーの加工設備があり、自分たちの手で収穫したコーヒーチェリーは、自分たちの手で加工し、生豆として出荷しています。
農園主のひとりであるヒューゴさんは、高品質なコーヒー豆の条件を「良い木と良い農園が必要」と話してくれました。
「そしてもちろん品質の良いコーヒーチェリーを摘むことだね。それを十分時間をかけて乾燥させる。そうすることで、品質の高いコーヒーになるんだよ。そうそう我々も“C.A.F.E.プラクティス”には参加しているよ。あれはエクセレントだね。これを満たせる農園にすると、自然にとって必要なことと自分にとって必要なことのバランスが取れるんだ。農園の土も、人間以外の生物も必要としているモノだと思うよ」
高品質なコーヒーには欠かせないかもしれないキーワード“C.A.F.E.プラクティス”。実は、次に訪れた小規模農園でも話に出てきたんです。
■証言2「小規模農家も社会的、環境的な責任を果たさなければいけない」
フェリックスさんは、自分の農園の仕事の他に、農園があるタラズ地区のコーヒー協同組合の仕事もこなす、コスタリカコーヒー産業の次代を担う35歳の若き農園主です。
「タラズ協同組合の組合員は5000人以上います。そのうち30%が35歳未満で、平均年齢は45歳ぐらい。そして組合で収穫したコーヒー豆の60%はスターバックスが購買しています。もちろん“C.A.F.E.プラクティス”に参加していますよ。我々はフェアトレードの認証も受けているので、それほど多くのことを変えずにこのプログラムに対応できました。コーヒーの未来を考えると、我々のような小規模農家も社会的、環境的な責任を果たさなければいけないと思っています」
やはりここでも“C.A.F.E. プラクティス”という言葉が出てきました。どうやら高品質のコーヒー豆を作るうえで重要なキーワードなのかもしれません。