■調理
「メスティン」はたっぷり容量の弁当箱ですが、人々を魅了する調理道具としての実力は? 炊飯ほか「メスティン」で料理をしてみましょう。
米を研ぎ、米の1.2倍の水に浸けておきます。「メスティン」はふきこぼれると言われていますが、1合でとろ火だったためでしょうか、ほとんどふきこぼれはありませんでした。米の量、火加減とのバランスによってふきこぼれる量が異なるので、不安なら1.3倍からはじめて、自分のバーナーにあった水量を探ってみては。
火にかけます。沸騰させるまでは強火で大丈夫です。今回はアルコールバーナーで炊きました。
ふたはしっかり閉まりますが、炊飯時は湯の粘度が高まり、わずかにふたを持ち上げて隙間からふきこぼれます。このふきこぼれが落ち着き、いい香りがしたら炊飯終了。火から下ろし、10分ほど蒸らします。
ツヤツヤごはんが炊けました。この日は風があったため、アルコールバーナーだと風上側の火から離れた端っこが少し硬めになっていました。大きめの風防を忘れたのが悔やまれます。
アルコールバーナーだけでなく、当然ですがガスバーナーでも炊飯できます。「メスティン」は底が細長いので、炎が広がるタイプのバーナーならムラなく炊き上がりました。
炎が集中するタイプの分離型バーナーは、バーナーパッドやロースターを組み合わせて。炊飯のような弱火にかける場合でも端のほうまで熱が届きやすい印象です。ただし、直結型のシングルバーナーや鉄鍋非対応のツーバーナーは輻射熱の影響が不安なのでメーカーに確認を。
メスティンは比較的高さがあるので、専用のSSメッシュトレイや手持ちの網(写真は金網で自作したトレイ兼ザル)を使えば蒸し料理ができます。
食材を蒸した後、ふたでバーニャカウダソースをあたためてディップ★ ほかにも蒸しパン、茶碗蒸しなどいろいろ作れそう。
メッシュトレイを使えばスモークもできなくはありませんが、空だき厳禁。アルミ皿にスモークウッドを載せるなど工夫が必要です。
焦げ付きが怖くて、長時間、火にかけられませんでしたが、ふたがきちんと閉まるのでひっくり返すことができました。サッと火をかけてドリア風に。水分が多いものは無理ですが、ひっくり返せるのは“メスティンで調理”の優位な点です。