VW(フォルクスワーゲン)の新型「ポロ」。2018年の登場以来、二度三度乗る機会があったが、その度に「ああ、まじめなクルマだな」と感じる。3気筒の廉価版に乗ってもそうだし、速く高価なスポーツグレード「GTI」に乗ってもそう。なんというか、作って売る側が値付けに対し、理路整然と説明してきそうなクルマだ。「今回パワートレーンは部品の何パーセントを新しくしたのでいくらであり、サスペンションはどこのどういう部品を使い、こういうテストを繰り返し、こういう方法で取り付けていますので、いくらかかっています…」という風に。
これが、フランスのあれやイタリアのそれだったら「いやいや旦那、おっしゃる通りエンジンやインパネ周りは今回ちょっと横着させていただいて前のを流用したんですが、その代わり、シートとサスペンションにはたんまり金かけやしたんで、250万円はお得だと思いますぜぃ」などといってきそう。
もちろん、あくまで個人の勝手な印象だが、勝手ついでにいわせてもらえば、ポロに抱くこの印象は、ドイツ車全体にふんわりと抱く印象でもある。思うにドイツ車のファンは、こういう部分にこそ魅力を感じ、信用して愛用しているのではないだろうか。イタリア車、フランス車のファンは、たまに“ぼったくられる”ことがある代わりに大サービスしてくれることもあるから、あの店、やめられないんだよなぁといったところか。で、そういう押し付けがましい店も怪しい店も勘弁してくれという人が、日本車に乗っているのだろう。多分。
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