▼ロープ全体で輪を作る
薪を束ねる、雨に濡れたテントをまとめて縛る、荷台のフックを使って荷物をロープで固定するようなときに重宝します。
「フィギュア9」の穴にロープを通し、軸を一周させてからロープをクロスさせます。たったこれだけですが、ロープの反対側を引っ張るときっちり止まります。巻き結び(クローブ・ヒッチ)と同じ要領ですね。
反対側は「2」の足に引っかけてから「3」へ。ここらへんは片側に輪を作る方法と同じです。
▼カラビナー付きの使い方
グロメットなどにロープを通すときは、カラビナー付きが便利。とくに高い位置や狭い場所にあるDカンを使う際に威力を発揮します。
カラビナー付きには、足部分に「1」「2」と書かれているので、これに沿ってロープを引っかけるだけ。簡単です。
■発展系の「カムジャム ロープタイトナー」と併用できる
「フィギュア9」で十分使いやすいのですが、しばらく使っていないと「どうやってロープをかけるんだっけ?」とあやふやになることもあるでしょう。「カムジャム ロープタイトナー」(650円/税別 アルミニウム製は1700円/税別)は歯車でロープを保持し、より簡単にロープのテンションをかけられる発展系のギアです。
ロゴが描かれている面に向かって、裏側からロープを通します。対応するロープの直径はφ2〜5mm。
本体右下にある出っ張りを押せば、歯車が右にずれて隙間が生まれるので、ここにロープを挟むだけ。
ロゴのある面のロープを引っ張ればロープはスルスルと伸びてテンションがかかりますが、反対側のロープを引っ張ってもゆるむことはありません。
ロープの両端で「フィギュア9」と「カムジャム」を用いるという贅沢な使い方もできます。
* * *
気をつけたいのは「フィギュア9」も「カムジャム」も“NOT FOR CLIMING”であること。アルミ製のカムジャムは耐荷重127kgですが、それでも身体が動くことで一時的に大きな力がかかるハンモックで使用するには不向きです。
けれどもテントやタープの自在金具よりもゆるみにくく、タフ。お守り代わりにいくつか持っておき、自在金具を壊したときや、ロープが濡れてすべりやすくなったときに交換できるようにすれば、自在結び(トートライン・ヒッチ)を知らなくても大丈夫。
とくにうれしいのは、ポールではなく木を利用してタープをかける時。
ロープワークに不慣れな人は、いちいちロープを自在金具から抜いて木の幹に回し、もう一度自在金具をセットする必要があります。これが面倒くさい。巻き結び(クローブ・ヒッチ)やトラッカーズ・ヒッチを使えばいいんですが、悪天候時だと焦ってモタモタ。それに雑に結ぶと、風や雨でたるんでひどい目にあってしまいますし、結ぶのもほどくのも時間がかかります。「フィギュア9」なら、いつもの自在金具を取り付けたまま木に回し、素早くきっちりテンションをかけられます。
また、ロープワークの手順を覚えていても、不器用さんはなぜかグスグス。「フィギュア9」なら引っ張るだけでよく、グスグスになりようがありません。力の弱い人も安心なので、クルマやボートに荷物を固定するなんてときにも重宝しますね。
>> シームーン
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(取材・文/大森弘恵)