■不可思議な生き物たちのオンパレード
小広間を抜けると「アサヒガニ」「アロークラブ」「キンチャクガニ」「タラバガニ」と展示が続く甲殻類ゾーンへ。「タラバガニ」はカニじゃなくてヤドカリの仲間って…知ってました?
ヒレを使って海底を歩く「エポーレットシャーク」と、口を開けた姿がガマグチそっくりという「オーストラリアガマグチヨタカ」も展示されています。「オーストラリアガマグチヨタカ」は夜行性とのことで、ガマグチぶりは確認できませんでした。残念。
展示も終盤。オレンジ色の触手が色鮮やかな「ウコンハネガイ」、見た目そのままの名前が付いた「エレファントノーズフィッシュ」、派手ないで立ちながら北日本の沿岸にも生息しているという「フサギンポ」と続き、最後を飾るのは「アルマジロトカゲ」。ポスターなどを見るとものすごくデカい生物のイメージを抱くかもしれませんが、実際は大人になっても20cm程度のサイズなんだそうです。
■見どころを直撃インタビュー!
今回の「へんないきもの展3」開催にあたり、サンシャイン水族館の丸山克志館長と早川いくを氏の両氏にお話を伺うことができました。
ーー「へんないきもの展3」のコンセプトについて教えてください
丸山克志館長(以下丸山)「特別展は期間限定だからこそ色んなことにチャレンジして、かつ生き物に興味がない方にもご覧いただけるように取り組んでいる展示でもあります。今回のテーマに関しては、生き物の特徴やその裏にあるものを知っていただきたい、紹介したいということで、早川さんの切り口でそれがさらに伝わりやすいように、シンプルな作りにしています」
ーー展示を行うにあたって、工夫したポイントなどは?
早川いくを氏(以下早川)「本当に奇妙な『えっ!?』っていう生き物が色々といる中で、どういう構成と順番で見ていただけたら、その『へんてこさ』をアピールできるかなというのを、考えて考えて考え抜いて(笑)。こういう展示になりました」
ーー「トラウツボ」の構造はビックリしました
早川「肉食だということは知っていても、実際に『内側の口』が飛び出して捕食するということは、漁師さんのような専門の方でも知らなくて。見慣れたウツボにこんな技があったという驚きがありました」
ーー色々な生き物がいる中で、特に「アンゴラウサギ」は『へんてこ』というよりは『カワイイ』に特化してますけども…
早川「これは『可愛いって言ってほしいな』という下心なんですけど(笑)。ただ、得てしてこういうのはスルーされちゃって、こちらが思ってもみないような『クモヒトデがカワイイ』とか言われちゃう(笑)」
ーー他に「これは推しておきたい」という生き物はありますか?
早川「そうですね…フジツボを推しましょうか。生殖器が体長の数倍に伸びます(笑)」
丸山「私もこれだったらフジツボを(笑)。エビやカニと同じ甲殻類というところからすると、一方は動き回って、一方のフジツボは岩に張り付いて。動き回れない分は雌雄同体となって、動けないからこそ一カ所に集まって…、そういったストーリーが本当に面白いと思うんですけどね」
早川「(種としての)根っこは同じなのに、片やカニやエビのように進化して、片やフジツボはこういう風に進化して…」
丸山「カニとセットにして展示しておけばよかったですね(笑)」
早川「!!! 次からはそうしましょう(笑)」
ーーこれは今から、次の開催も期待できそうですね。ありがとうございました。
「へんないきもの展3」の開催は、3月20日(水)~7月5日(金)の9時~21時(4月27日(土)~5月6日(振休・月)は8時30分~21時)。入場料は600円です(水族館本館ほか対象施設・イベント利用時、年間パスポートを所持されている方は400円)。また、会場出口と「ショップ アクアポット(別途水族館本館への入場料が必要)」では、へんないきものをモチーフとしたフードやアイテムも販売されていますので、来場記念のお土産にどうぞ。
サンシャイン水族館観賞とセットにすれば、ゴールデンウイーク中のアクティビティはもちろん、お子様連れの方なら夏休み前の自由研究テーマを仕込んでおくのにもピッタリ。ぜひ足を運んでみてください!
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