国内唯一の400ccアドベンチャーバイク、ホンダ「400X」は間違いなく楽しい!

■ちょっとした林道にも足を伸ばしてみたくなる

従来モデルでは、舗装路でのグリップを重視した前後17インチのタイヤを装備していましたが、今回のモデルチェンジでフロントホイールを19インチ化。凹凸を乗り越える性能が向上しています。タイヤもオフロードも走れそうなセミブロックパターンとなり、ちょっとした未舗装の林道なら難なく走れてしまう走破性を持っています。

ツーリング先で面白そうな未舗装の林道に出逢うのはよくあること。そんなときに「ちょっと行ってみようか」という気にさせてくれる走破性を実現し、より楽しめるフィールドが広がりました。リアサスペンションのストロークが伸ばされていることも、不整地での乗り心地をより高めてくれています。

タイヤが大径化によって細くなり、サスペンションストロークも伸ばされたと聞くと、オンロードでのグリップがスポイルされているのではないかと危惧する人もいるかもしれませんが、その点は心配ありません。

リアサスペンションは分離加圧式という、より路面追従性の高いものになっているので、オンロードでの走行性能も落ちていません。むしろ大径のフロントホイールによる安定感と、軽快なハンドリングを実現しているので、タイトなワイディングなどは走りやすくなっているはずです。

並列2気筒の水冷エンジンも、最高出力こそ46PSと従来モデルと変わりませんが、低中回転域のトルクを向上させることで、より力強いフィーリングに。バイクを押し出す力がアップしているので、未舗装路などが走りやすくなっているだけでなく、街中でのキビキビした走りも期待できそうです。

マフラーの容量がアップし、テールパイプが2本出しとなって排気音の迫力が増しているのもうれしいポイントですね。

高速道路などでライダーに当たる風を防いでくれるウインドスクリーンも従来モデルから20mm長くなりました。

また、アシストスリッパークラッチが装備されたのも、地味に大きな変更。これはシフトダウンの際のエンジンブレーキで、リアタイヤがロックしてしまうのを防ぐ機構ですが、実はクラッチ操作を劇的に軽くしてくれる効果もあります。長時間走っているとクラッチを握る左手が疲れてくるのも、ツーリングのあるあるですが、そんな悩みを解消して、もっと長く走りたいという気持ちにさせてくれる装備です。

 

■より快適にツーリングできる大排気量モデルも

ホンダの現行ラインナップの中で車名に「X」が付いているのはアドベンチャー系のツーリングモデル。より排気量が大きなモデルには「NC750X」や「VFR800X」などが存在します。排気量が大きい分、より余裕のあるツーリングが可能なので、大型免許を持っている人はそちらを選ぶのもいいかもしれません。

特に「NC750X」には変速を自動で行ってくれるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を装備したモデルも用意されています。左手・左足のクラッチ&シフト操作が不要で、アクセルを開けるだけで自動で変速してくれる先進機能。長距離ツーリングなどでの負担の少なさは特筆モノです。自分より上手な人が変わりにシフトをしてくれているようなフィーリングで違和感も少なく、右手側のボタンで任意に変速もできるようになっています。

ホンダらしいV型4気筒のエンジンを搭載した「VF800X」は、そのスムーズなフィーリングが魅力。

ツーリング好きなライダーは、これらのモデルを選べばより行動範囲を広げることができそうです。新型の「400X」は3月22日発売。同日から3月24日までは東京お台場の東京ビッグサイトで「第46回 東京モーターサイクルショー」も開催されており、さまざまなモデルにまたがることができるので、気になる人は訪れてみるといいかもしれません。

<SPECIFICATIONS>
☆400X
ボディサイズ:L2140×W825×H1380mm
車重:196kg
エンジン:399cc 並列2気筒 DOHC
トランスミッション:6速MT
最高出力:46馬力/9000回転
最大トルク:3.9kgf-m/7500回転
価格:81万1080円

☆NC750X(DCT)
ボディサイズ:L2215×W845×H1320mm
車重:231kg
エンジン:745cc 並列2気筒 OHC
トランスミッション:6速DCT
最高出力:54馬力/6250回転
最大トルク:6.9kgf-m/4750回転
価格:95万4000円

☆VFR800X
ボディサイズ:L2190×W870×H1385mm
車重:246kg
エンジン:781cc V型4気筒 DOHC
トランスミッション:6速MT
最高出力:107馬力/1万250回転
最大トルク:7.9kgf-m/8500回転
価格:147万3120円

 


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(取材・文/増谷茂樹 写真/松川 忍)

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