■伊・英・米のスーパーカーに魅了される
JAIA輸入車試乗会は、あらかじめ参加者から希望を募り、抽選を踏まえた上で乗れる試乗車が決まります。今回、私が試乗したのは、ランボルギーニ「ウルス」、シボレー「コルベット グランスポーツ」、マクラーレン「570Sスパイダー」。普段、なかなか試乗できない3台をセレクトしました。
まずは、ランボルギーニのウルスから。お値段は2816万1795円!
ランボルギーニといえば、車名に闘牛の名を付けることで有名ですが、ウルスも同様。ウルスは英語でいうところの“オーロックス”で、闘牛を含む家畜牛の祖先に由来しています。
車内に乗り込むと、飛行機の操縦席を思わせるデザインにワクワク感が止まりません。中でも目を引くのは、「ECO」ならぬ「EGO」と書かれたレバー。これは、クルマのトラクションやハンドリング、サスペンションなどのセッティングをドライバー好みに調整できるモードで、そのほかに「STRADA」(一般道)、「SPORT」(スポーツ)、「CORSA」(サーキット)、「SABBIA(砂)」、「TERRA(オフロード)」、「NEVE(雪)」などのモードも用意されています。
インパクトあるエクステリアデザインをまとったウルスは、全長5112㎜、全幅は2mオーバーの2016㎜、全高は1638㎜と、とても巨大。
そこに、650馬力を発生する4リッターのV8ツインターボエンジンを搭載し、カタログ値で305㎞/hの最高時速と、0-100㎞/h加速わずか3.6秒という、驚きの速さを実現しています。
まさに走る姿は、猛牛そのものといった印象でした。
■アメリカンスポーツの印象を覆すコルベットGS
続いてドライブしたのは、コルベット グランスポーツ。お値段は1209万8700円〜。
シボレー「コルベット」の高性能バージョンは電子制御のかたまりといった印象で、ドアの開閉も電気仕掛けとなっています。となると、トラブルが起きた際のことが心配になる人がいるかもしれませんが、万一の緊急時のために、シートの横には、ドア開閉用レバーが用意されています。
エンジンは6.2リッターのV8 OHVエンジンで、466馬力、64.2kgf-mを発生します。V8のOHVエンジンといえば、ドロドロとした回転フィールを想像しがちですが、コルベット グランスポーツのそれは、高回転域まで一気に気持ち良く回ります。
もちろん、スペックから想像できる通り、低回転域から抜群の力強さ。回転が上昇するに連れて力強さが一段と増していくので、思わずアクセルペダルを踏んでしまいます。
また、サスペンションのセッティングも絶妙。クルマ全体が常にフラットに、地面に張っていくように走っていきます。
■F1マシン譲りのボディでスムーズな走りのマクラーレン
そして最後にドライブしたのが、マクラーレンのボトムレンジを担う570Sスパイダー。お値段は2898万8000円!
ドアが上に跳ね上がるポップアップ式なので、ドアを開けただけで周囲の注目を集めることは間違いなし。ルーフの開閉時間は15秒ほどで、40km/h以下であれば、走りながら開閉することもできます。
屋根を開けてもしっかりヒーターが効くのと、風の巻き込みが少ないのはうれしいポイント。その秘密は、シート後方にある電動のリアウインドウで、これを下げると、風が適度に流れて快適でした。
エンジンは3.8リッターのV8ツインターボで、570馬力、61.2kgf-mと強力! 最高速度はカタログ値で、328km/hと発表されています。
でも、そんなハイスペックモデルであるにもかかわらず、高速道路でもワインディングでも、570Sスパイダーは思いのほかスムーズに、そして軽快に走って行きます。こうした印象は、F1マシン譲りのカーボンファイバー製ボディによる賜物でしょうか。
また、オープンボディとはいえ、車重が1500kg以下と比較的軽いのも、走りの軽快さにつながっているのかもしれませんね。
* * *
今回、ドライブしたクルマのお値段は、総額7000万円弱! 年間、300台近いクルマを試乗させてもらっているものの、それでも、1000万円オーバーのクルマというのは、なかなか試乗する機会がありません。普段、触れる機会の少ないクルマをドライブできるというのは、JAIA輸入車試乗会の最大の魅力ですし、こういったチャンスを与えていただく度に、クルマの世界は本当に奥深いな、ということを改めて実感させられます。
ちなみに、この夢のようなイベントを開催するJAIAは、1965年に設立。JAIA輸入車試乗会は1982年に第1回が開催され、今年で39回目となりました。開催当時、日本には正規インポーターがまだまだ少ない時代で、日本車や並行輸入車との比較を始め、輸入車ビジネスを行っていた会社がまとまってしっかりと情報発信を行うために試乗会をスタートしたそうです。
JAIAの小野寺 誠さんは、輸入車の魅力を「日本市場では各インポーターが活発に活動しており、近年、輸入車はバリエーションの充実が際立つようになってきました。特に、ボディやパワートレーンのバリエーションが多彩で、各モデルそれぞれに、個性がしっかり見られるようになっています。それこそがまさに、輸入車の魅力。輸入車は日本車に比べてとがった性格のクルマが多く、そうした個性が多くの人々のハートに刺さっているのだと思います」と語ります。
現在JAIAには、4輪が28社39ブランド、2輪が10社13ブランド加盟。小野寺さんによると、その数は毎年増えていて、今後は、ベンチャー企業や電気自動車メーカー、中国メーカーなどの加盟もあるかもしれない、とのこと。輸入車の魅力を、メディアを通じて多くの人々に発信しているJAIAの活動には、今後も目が離せません。
(文/吉田由美 写真/&GP編集部)
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