■T-MobileのeSIMプランはiPhoneだけで契約できる
T-MobileのeSIMを契約するには、Apple Storeで提供されている専用アプリを利用します。必要な手順の9割はこのアプリ内でほぼ完結するので、ユーザーとしては明瞭で助かります。「QRコードが送られてきて、それを読み込む」といった、他のプリペイドのeSIMサービスに比べて分かりやすいです。
なお、今回筆者はT-Mobileが提供するプリペイドのeSIMプランを利用するために以下を活用しました。
- SIMロックを解除したau版の「iPhone XS」
- auの「海外データ定額」アプリ(初期設定時の通信用)
- 「T-Mobile eSIM」アプリ
- VISAのクレジットカード(支払い用)
以下、順に解説していきます。
1. eSIM対応のiPhoneをSIMロック解除しておく
NTTドコモ、au、ソフトバンクで購入したiPhoneの場合、他社の通信プランが利用できないようにSIMロックという制限がかけられています。eSIMでプリペイドプランを利用する際も、この制限の対象になりますので、あらかじめ解除しておきましょう。
各キャリアが定めた条件(支払い方法や契約してからの経過日数など)を満たす場合、キャリアに申し込むことで、ロックを解除してもらえます。条件に関する情報は古いですが、auでウェブサイトからiPhoneのSIMロックを解除する手順そのものは、こちらの記事内で紹介しているので、参考にしてください。
[関連記事]超簡単!auのiPhone 6sをSIMロック解除して格安SIMを使ってみた
2. 初期設定を行うための通信を確保
今回筆者は、米国に入ってからeSIMプランを契約しました。初期設定には通信が必要になります。空港やホテルのWi-Fiも利用しても良かったのですが、クレジットカード情報の入力があるので、手っ取り早くキャリアのローミングサービスを使って済ませました。
先述の通り、au版のiPhoneを使っているため、「世界データ定額」というアプリを利用しました。同アプリを利用したことがない人は、出国前に端末にインストールしておくのを忘れずに。また、同サービスを利用するには、予め「データチャージ」(無料)の加入が必要になります。
渡航先での使い方は、まずiPhoneの「設定」アプリにある「モバイル通信」の画面から「データローミング」を有効にします。
続いて、「世界データ定額」アプリを起動し、画面が更新されるのを待ちます。「利用開始」のボタンが表示されたら、これをタップ。
これで国内で契約している通信プランのデータ通信量をそのまま海外でも使えます。例えば、国内で月内に3GB使えるのであれば、海外でそのまま3GB分が利用可能になります。
利用料は980円/24時間ですが、今回は無料キャンペーンを実施している期間だったので、0円で使えました。また、キャンペーン期間でなくとも、au STAR会員(無料)の場合には、「au STAR ギフト」として、毎月1回24時間分の世界データ定額が無料で使えます。
3. アプリをインストールしてプランを契約
ひとまず現地の通信環境を確保したので、App Storeで「T-Mobile eSIM」アプリをインストールし、通信プランを契約していきました(本当は、出国前にアプリのインストールまでを済ませておいた方がラクです)。
「T-Mobile eSIM」アプリを起動したら、メールアドレスを登録します(T-Mobileでの使用歴があるアドレスは使えないそうなので注意)。
続いて、位置情報に基づいて、ZIPコードが自動で入力されます。詳細な住所(主に使用する場所)はオプションなので入力しなくてOKです。
プランを選択し、支払い情報を登録すると、iPhoneの設定アプリに遷移し、eSIMプランが追加されます。eSIM名はカスタムで「T-Mobile」などとしておくと、後々識別しやすくなるのでオススメです。
ちなみに登録が完了すると、「T-Mobile eSIM」アプリ内でレシートが表示できます。今回選択したプランは30ドルで、税込だと31.35ドル。アメリカのプリペイドプランは、データ専用ではなく、音声通話も利用できてしまうので、アジア圏などの周遊SIMと比べるとやや高額になってしまいますが、まぁしかたありません。
* * *
eSIM対応のiPhone XSを利用するようになってから、海外での通信はほとんどeSIMのプリペイドプランで済んでしまうようになりました。事前にECサイトでプリペイドSIMを購入しておいたり、現地でSIMカードを購入する手間もいらないので、ズボラな筆者としては大助かり。
最初こそ小難しい設定に戸惑うでしょうが、「習うより慣れろ」です。海外渡航の機会があれば、恐れずに一度試してみてはいかがでしょう。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。
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