大清快シリーズの大きな売りの一つであるプラズマ空清機能は、さまざまな汚れ物質に帯電させて熱交換器に吸着させることで、PM2.5を99%除去するというもの。
PM0.1レベルの微小粒子状物質まで除去できることを実証しているという。熱交換器に吸着した汚れ物質は冷房・除湿運転時に発生する結露水で洗い流す仕組みとなっています。
■ミドルレンジを高機能化し、フラッグシップとして売り出す
GfK Japan「2018年 家電・IT市場動向」によると、国内のエアコン市場は2015年から連続して右肩上がりの状況にあり、2018年は例年より早い梅雨明けや記録的な猛暑の影響もあって前年比12%増の約920万台になったとのこと。
2013年以来の900万台超えとなりましたが、平均価格は前年から横ばいの約9万8000円で、ここ数年続いた上昇が一服。
国内の家庭用エアコン市場で東芝はパナソニック、ダイキン工業、三菱電機などに後塵を拝する状況になっており、DXシリーズはその状況を打破する戦略的モデルという位置付けになっています。
2019年2月に発表した「DRシリーズ」が最上位モデルという位置付けになるものの、ミドルレンジモデルのDXシリーズに最上位モデルを超える機能を搭載することで、コストパフォーマンスを重視する消費者層を狙う目的です。
東芝ライフスタイル エアコン事業部長の鈴木新吾氏はエアコン事業に関する意気込みを次のように語りました。
「昭和36年にセパレート型のエアコンを出して以来、日本初、世界初の商品を50年以上も届けてきました。2016年7月にマイディアグループに入り、マイディアの技術とスケールメリット、東芝の技術を融合させながら売り上げを拡大させていこうというところです」(鈴木氏)
親会社であるマイディアグループの中でもエアコン事業は非常に大きな事業で、昨年1年間で約4500万台を製造・販売し、世界第2位のシェアとなっているとのこと。
「2018年は東芝ライフスタイルのエアコン事業は単独で黒字になり、19年度はさらに売り上げ規模を拡大し、再成長事業にしようと取り組んでいます。本日の製品はマーケットを調査し、お客様の声を分析しながら新提案できる仕様、機能を開発しました。自信を持ってお届けできる商品です」(鈴木氏)
エアコン事業部 商品企画担当の下沢一仁氏はエアコン機能のトレンドとしてロング気流や垂直気流、分割ルーバーなど「快適性」、フィルター自動掃除や熱交換器のコーティング・洗浄などの「清潔性」、センサーなどを利用した「省エネ」、部屋の空気をきれいにする「空気清浄」の4つで形成されてきており、5つめとしてスマートフォンやスマートスピーカーなどを利用した「遠隔操作」が加わったと説明。さらに、昨年の記録的な猛暑によってエアコンの使い方が変化したと続けます。
「昨年は昼間の暑さだけでなく熱帯夜が長く続いたことで、冷房を使う時間が長くなりました。(東芝ライフスタイルの調べによると)『就寝時に冷房を付けっぱなしにするのが増えた』という人が約28%、『就寝時に切タイマーの設定時間が長くなった』が約23%といったように、エアコンと寝るときまで密接に関係しているのが調査で分かりました」(下沢氏)
篤くて寝苦しい夜をより快適に過ごすために、エアコンを使わないわけにはいかないが、それには弊害もあったと言います。
「冷房を長く使うことで『体調を崩したことがある』、『手足のむくみが発生した』、『自分の温度環境あるいは湿度環境に設定できない』など、約33%が困ったことがあると答えています。
『冷房の風はできるだけ当たりたくない』と答えた人は約76%に上っており、エアコンを使う時間は増えたものの、体が冷えるのは困るというのが分かりました。そこで冷房の風の質に着目し、涼しさだけを届ける。体に風を感じにくい『無風感冷房』で居心地のよい毎日を提供したいと考えたのです」(下沢氏)