■こんなドライヤーを待っていた
ドライヤーとはこういうもの。なんとなく頭の中にある固定観念を、ぶち壊すような格好よさ。cado cuaruaが採用したノーズのない「P-フォルム」デザインは、それだけで“おっ”と思わせる何かを持っています。
“形態は機能に従う——”。シカゴ派の建築家、ルイス・ヘンリー・サリヴァンが残した有名な言葉です。機能から導き出したデザインは美しい、ということを意味する賛辞。同製品を表現するには、この言葉がぴったりではないでしょうか。
ドライヤーの風の吹き出し口のことを「ノーズ」と呼びます。つまり「鼻」のことです。同製品には、この鼻がありません。吹き出す風と髪までの距離がぐっと近づくことで、いままでにはない扱いやすさが生まれました。
操作は無駄を削ぎ落としたシンプルな仕様に。風量は3段階で調整可能です。最大風量は[2.2㎥/min]で、冷風と温風の切り替えは、カチッとボタンを押して切り替えます。
■ズボラに使えて、上質な仕上がりに
実際にcado cuauraを手にすると、まず驚くのが吸い付くような持ちやすさ。持ち手は、やや三角柱気味にデザインされており、背後に回した指がうまく馴染みます。また、本体部分付近には、人差し指がスポッとハマる窪みが備わっています。
本体重量は400gほど。350mlの缶ビールよりちょっと重いくらいです。小型のドライヤーを含めても、かなり軽い部類だと思います。
加えて、先述のノーズレスデザインが力を発揮します。手を遠くまで伸ばさなくて良いから腕が疲れにくい。筆者はロングヘアーではないので、ドライヤーの利用時間は数分で済みますが、それでもこの差は実感できました。
特に、耳の後ろ、襟足、頭頂部、エトセトラ。3Dの球体である人間の頭を、ぐるっと囲むように手を動かすには、球体の近くにドライヤー本体があった方が動かす距離は短くなるのです。
そしてノーズがない分、ちょっと棚に置きやすい。濡らした髪を乾かして、ちょっと端に置いておき、整髪料をつけた後にもう一度使う。そんな毎日の流れ作業も快適になりました。
風量もパワフルで、前髪に風を当てると髪が反りたちます。シャワー後の髪もあっという間に乾く。汗っかきで夏場は1日に何度もシャワーを浴びることもあるので、これは大助かり。ちなみに、最大風量時の音はそこそこ大きいですが、十分許容範囲です。
ノーズがない分、「つい髪に近づけすぎると熱くなりすぎるのでは?」と疑問に思う人もいらっしゃるかもしれませんが、そこは心配ご無用。最高温度が約85度に制限されているので、常に安定して心地よい温風が届きます。乾燥させすぎない、地肌にも優しい仕様。そして、ここ重要なのですが、こうした機能を何にも意識せずに使えます。
安いドライヤーで、ちまちまと時間をかけていた頃を思い出すと、時間をたくさん無駄にしていたのだな、と改めて実感します。
* * *
デザインよし、握り心地、風量よし。シンプルだけど、大事な機能はしっかり備えているノーズレスドライヤー。毎日使う相棒になりうるからこそ、デザイン志向の商品が醸し出すダンディズムは魅力的です。
もちろん、製品の特性上、家族で共有することも多いでしょうし、男性一人で勝手に決められないご家庭も多いはず。しかし、「cado cuaura(BD-E1)」なら、女性が使っても洗練されたカッコ良さを演出してくれますし、髪質を保つ最低限の機能もしっかり搭載されています。いつも奥さん主導だったドライヤー選びに、「俺はカドークオーラが気になっている」と伝えれば、文字通り新しい風が吹くかもしれません。
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(取材・文/井上 晃 写真/下城英悟、井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。
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