しかし本当にすごいのは、単なるエコカーではないV60 D4 Rデザインが、このような超絶レベルの経済性を備えていること。
単なるエコカーではないこともあって、移動は格別に快適です。いかにもボルボらしい、ゆったりとカラダを包み込んでくれるドライバーズシート。そして、途中でドライバー交替し、リアシートにてPCをパチパチと原稿作成に勤しんでみましたが、仕事がはかどるレベルの快適さ。
余計な上下運動やロールがなく、われわれの場合、モニターを見ていてもクルマ酔いするといったことはありませんでした。ロングツーリングにV60 D4 Rデザインは最強のツールです。
さらに、V60 D4 Rデザインは、エコカーとして一級の省燃費走行を可能としながら、パワフルなスポーツ走行も得意なのです。単にエコなクルマならほかにもあるでしょう。ロングツーリングが得意なクルマもほかにいくらでもあるでしょう。でも加えて、スポーツ走行ともなると…。
というわけで、1336kmを走った後、追試と称し、V60 D4 Rデザインのアクセルペダルを存分に踏んでみたのです。
それは、鹿児島〜東京間のエコドライブで封印されていたものが、解き放たれた瞬間でした。
とにかく、D4エンジンはパワフル。ポールスターパフォーマンスパッケージがインストールされていることもあり、アクセルペダルの操作に対してレスポンスよく反応してくれるのは、昔のディーゼルエンジンを知っている身からすれば隔世の感すらあります。日本のアイシン製8速ATも切れ味がいいこともあり、ペシペシとパドルシフトを使いながらシフトアップ&ダウンを繰り返すと、「おそらくマニュアルトランスミッションで走るよりも速い!」と思わせてくれるほど。
ハンドリングは大人の味付け。過度にシャープさを演出したものではなく、パイロットスポーツ3の確かなグリップがステアリングを通じて伝わってきます。安直な表現で恐縮ですが、とっても安心感が高い。このパフォーマンスを存分に使って、もう1回、鹿児島から東京を目指したい。いや、どうせなら、鹿児島から八戸まで足を伸ばしてみたいとさえ思わせてくれるのです。
V60 D4 Rデザインは経済的で、ロングドライブ最強。そして、スポーツドライブにも興じることができる…。まさに1粒(台)で3度オイシイことが判明。これが、ボルボ・ディーゼル無給油チャレンジに挑んでの、最大の収穫でした!
<SPECIFICATIONS>
☆V60 D4 Rデザイン
ボディサイズ:L4635×W1865×H1480mm
車重:1680kg
駆動方式:FF
エンジン:1968cc 直列4気筒DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:190馬力/4250回転
最大トルク:40.8kg-m/1750〜2500回転
価格:549万円
(文&写真/ブンタ)