世界のクリスマス〜イタリア・シチリアのクリスマス

12月8日はクリスマスの始まりの日

イタリアのクリスマスは12月8日に始まります。この日は「Immacolata」、「Maria Immacolata」(インマコラータの日)と呼ばれ、イタリアでは祝日となり、各地でお祭りが開催されます。

クリスマス菓子“パネットーネ”が店頭に並び、ナターレの飾り付けが始まり、この飾り付けは年明けの1月6日のエピファニア(公現祭)まで続きます。ヨーロッパ各地で見られるクリスマスマーケットはイタリアにもあります。

シチリア北西部、標高750mを超える冷涼なエリチェの街の広場のクリスマスマーケットでは、白い息を吐く人たちで賑わっていました。

 

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深い霧に包まれたエリチェのクリスマスマーケットのクリスマスツリー

 

クリスマスの飾り付け

イタリアのクリスマスで大事なのが「Presepio(プレゼピオ)」です。イエス・キリストが誕生するシーンを表現した馬小屋の模型で、家庭向けのコンパクトなサイズのものから、商業施設などで飾られる大きなものまであります。

エリチェのクリスマスマーケットで入手したリーフレットには、プレゼピオの見学マップが掲載されていました。ホテルやレストランはもちろん、個人の家庭でも自慢のプレゼピオを公開しています。

プレゼピオに力を入れ、競い合っている様子は、近年、家の外をイルミネーションで飾る日本の家庭を思わせます。

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シチリアのクリスマス菓子

イタリアのクリスマス菓子 “パネットーネ”は北イタリアのお菓子ですが、現在はイタリア全土で愛され、シチリアでもよく見かけました。

でも、シチリア独自のクリスマス菓子はないのでしょうか? 聞けば、「ブッチェッラーティ」があるといいます。中にドライイチジクやナッツ類、蜂蜜などが入った焼き菓子です。

リコッタチーズを使ったシチリアの伝統菓子「カンノーリ」や「カッサータ」もクリスマスシーズンによく食べるそうです。こちらは日持ちしませんが、保存がきくブッチェッラーティはシチリア土産にオススメです。

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どちらもブッチェッラーティ

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フレッシュなリコッタチーズを詰めたカンノーリ

 

クリスマスイブは魚料理で

家族を大切にするイタリアでは、クリスマスは家族が一緒に過ごす大切な期間です。日本と違うのは、イタリアではイブよりもクリスマス当日に重きを置くこと。

また、イブは肉を食べない日であるため、魚を食べます。とはいえ、現代ではイブに肉料理もあるようです。魚料理で伝統的なのは、バッカラ(干したタラ)を使ったものですが、新鮮な魚介類の豊富なシチリアでは、さまざまな魚料理が食べられています。

クリスマス当日は、詰め物をしたパスタやオーブンで焼くパスタ、普段よりも手をかけた肉料理などのごちそうが並びます。

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ごちそうにはシチリアワイン

クリスマスのごちそうに、ワインは欠かすことができません。シチリアは高品質ワインの産地として、イタリア国内だけでなく世界市場でも高い評価を受けています。

シチリアでは魚料理が本当に多く、しかもおいしい! 魚料理には白ワイン、といわれますが、シチリアでは赤ワインもよく合わせます。

シチリアの地場品種ネロ・ダヴォラからつくられる赤ワインは、味付けが濃厚な魚介料理によくマッチ。ネロ・ダヴォラは、リコッタチーズを詰めたパスタにも合うので、イブにもクリスマス当日にも活躍してくれます。

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ネロ・ダヴォラ(右端)と白ワイン  Azienda Vitivinicola TONNINO http://www.vinitonnino.com/

 

シチリアを旅し、イタリアでは、クリスマスの始まりがハッキリしていること、イブに魚料理を食べることなど、日本とは違う、へえ~ な出合いがありました。

しかし、伝統的な風習をリスペクトし、家族の愛情や絆を大事にするイタリアのクリスマスの過ごし方は、とても魅力的だと思いました。日本のクリスマスはカップルがフォーカスされがちですが、家族のことを思うクリスマスを過ごすのもいいですね。
皆さん、どうぞ素敵なクリスマスを!

 

(取材・文/綿引まゆみ)

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