深刻なPM2.5の影響でヒットの兆しを見せるLGスタイラー#家電最前線

■大気汚染の影響を受けてヒットの兆し

LGエレクトロニクスが2017年3月に日本で発売したホームクリーニング機器「LGスタイラー」がヒットの兆しを見せている。韓国では2011年に初代モデルを発売したLGスタイラーだが、全く新しいカテゴリーの製品ということもあって2014年までは月間わずか500台ほどの販売台数と伸び悩んだ。

▲LGスタイラーの韓国での販売数推移

しかし、2015年から急激に販売数を伸ばし、「現在韓国では月間約2万台以上販売しており、一般家庭にも深く根付いている」とLGエレクトロニクス・ジャパン マーケティングチーム 部長のキム・ドンゴン氏は語る。

▲LGエレクトロニクス・ジャパン マーケティングチーム 部長のキム・ドンゴン氏

LGスタイラーが韓国でヒットしたのは、先述の通りPM2.5による大気汚染の深刻化が背景にある。

「2015年頃から中国発のPM2.5が朝鮮半島に悪影響を及ぼしており、その状況は深刻です。PM2.5は喫煙やお酒、薬物などよりも、体に悪い影響を及ぼすとのことです。LGスタイラーがPM2.5を除去して暮らしを便利にし、衣類のケアもしてくれるということが知られてから早いスピードで販売が増えてきました。

現在は家庭だけでなく、ホテルやレストラン、家具店や美容室、公共の場などでもLGスタイラーが使われるなど、社会の中で今や必須のものになりつつあります」(LGエレクトロニクス H&A事業本部 リビングアプライアンスB2B営業チーム チーム長のホ・ソンウン氏)

▲LGエレクトロニクス H&A事業本部 リビングアプライアンスB2B営業チーム チーム長のホ・ソンウン氏

 

■結婚するカップルの“新婚家電”として人気

韓国・ソウルのロッテデパート本店にあるLGエレクトロニクスのフラッグシップストアでは、同社のプレミアム家電ブランド「LG SIGNATURE」とともにLGスタイラーが展示されており、来店者の注目を集めていた。

▲韓国・ソウルのロッテデパート本店にあるLGエレクトロニクスのフラッグシップストア

LGベストショップ ロッテ百貨店明洞店 家電マネジャーのキム・ジョンホン氏は「結婚を控えたカップルがLGスタイラーを“新婚家電”として購入する場合が多く、当店に見に来たカップル10組のうち9組が購入もしくは問い合わせるといった状況です」と語る。

「2年ほど前からクチコミを通じてブームになってきたように感じます。芸能人の暮らしの中でLGスタイラーが使われているなど、テレビ番組を見て買いにくる人も多いです」(キム・ジョンホン氏)

ロッテデパート本店では2018年に499台を販売したが、2019年は5月の時点で1000台を超える台数を販売しているという。

「2018年に大型モデルの『LGスタイラー プラス』が発売されましたが、現在は約7割がLGスタイラー プラス、約3割が従来モデルの『LGスタイラー スリム』(日本で販売されている『LGスタイラー』)です」(キム・ジョンホン氏)

▲ロッテデパート本店に展示されているLGスタイラー。右の大型モデルが韓国で2018年に発売された「LGスタイラー プラス」だ

【次ページ】家具店でも新婚家電として浸透

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