■使い方
スウェーデンが誇る高品質のステンレススチール製の刃は、長さ109mm、厚み2.5mm。ハンドルはTPEラバーとポリプロピレンで作られており、グリップがいいのが特徴です。本体重量は約100gと軽量なので、森の中に持っていくにも苦になりません。
▼バトニング
刃の厚みが2.5mmとまずまずの厚みを有しており、ナタがわりに薪を細く割る“バトニング”が可能です。
▼クラフト、調理
当然ですが、木を削る、調理をするなんてことはお手の物。刃の長さが109mmで日本人でも扱いやすいサイズ感です。
アンバサダーのDave Canterburyは、このナイフ一本でペグ作りからトラップ作りも行うとか。
Y型1本+ストレート2本の組み合わせで「4」の字に組み合わせたトラップ。動物が触れることで上に乗った丸太が落ちて食料調達! 日本では免許なしに野生動物を捕るこのような手法は現実的ではありませんが、知恵のひとつとして知っておくと楽しいですね。
野外料理のアンバサダー、Kieran Creevyも「カンスボル スタンダード」の愛用者。写真のように刃のすぐ下で短く持って、2本の指で挟むようにすると細かな作業がしやすいとのこと。試してみると、確かに小回りがききます。
▼人工呼吸
救命救急の博士、Brandon Cheeによると、「カンスボル スタンダード」のシース(さや、ケース)は長さといい太さといい、人工呼吸にちょうどいいそう。
マウス・ツー・マウスでは感染症の危険があるけれど、「カンスボル スタンダード」のシースは先端にヒモを通す穴が付いているのでココから息を吹き込めばいいんだとか。これは知っておきたい知恵ですね。
また、これは試してはいませんが、火吹き棒のように焚き火に空気を送り込むのにも使えそうです。
▼火起こし
手持ちのファイヤースターターを使えば、火起こしだってできます。
ハンドル部分に穴があいているのでここにロープを通してファイヤースターターを常備してもいいでしょう。
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装飾が美しいナイフもありますが、モーラ・ナイフは実用主義。決して高価すぎず、ためらわずにガシガシ使えます。しかも、スウェーデン王室御用達! ナイフ選びに迷ったら、まずはこの1本から手にしてみませんか?
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(取材・文/大森弘恵)
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