■機能
一番進化を感じるのは、なんといってもマイクロレギュレーターでしょう。
分離型ストーブは安定性が高く、クッカーと燃料との距離をかせげるため大鍋料理に対応できます。
ところが、アウトドア市場にはCB缶を用いる分離型ストーブはさほど多くありません。あくまでファミリーキャンプのサブバーナーという位置づけの製品が多く、大きくてかさばるものがほとんど。というのも、どうしても煮込み料理など長時間連続使用する場合や秋冬キャンプなど低温時の使用では火力が不安定になってしまうから。
「FUSION」はマイクロレギュレーターを搭載することで、いつでもどこでも安定した火力を発揮します。実際、魚の燻製とポークの煮込みを作ってみましたが、とろ火で炎が安定していましたよ!
最大火力は2.6kW(2200kcal/h)。けれど、実際のところストーブは火力自慢であればいいというわけではありません。
日本はお米の国。キャンプで米を炊く人は多く、求めているのは高火力かつとろ火も実現すること!
「FUSION」はやわらかなとろ火もパワフルな炎も、どちらも手に入ります。
気になる燃費は、パワーガスST-760使用で1.5時間となっています。作る料理の種類によりますが、ソロはもちろんファミリーであっても1泊なら2本あれば十分でしょう。
ゴトク径は165mm。ゴトクは4本になったので、SOTOの小型アルミクッカーセットを置いても不意に落ちる不安はありません。
もちろんナビゲータークックシステムやステンレスヘビーポット「GORA」のように大きめの鍋だって載せて調理できます。これは頼もしい!
ゴトクは刻みが入っています。これはSOTOではおなじみですね。
炎口は約300個。すり鉢状のヘッドのため、風防は低いけれども耐風性は良好です。
「ST-301」のコンセプトをベースに、レギュレーターストーブで話題となった「マイクロレギュレーター」や、火力調節つまみ、「MUKA」で生まれたしなやかホース、「ストームブレイカー」をアップデートしたかのようなゴトクなど、SOTOの技術が詰まった1台が「FUSION」です。
しかも、炊飯や煮込み料理も短時間の湯沸かしも、なんでもござれ。ソロキャンプはもちろん、鍋料理なんかにも重宝します。
サブバーナーではなく主役級。料理好きなら手に取る価値、あります。
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(取材・文/大森弘恵)