■カメラレンズがモチーフの外見
AVIOTの発表会で巡り合った、ワイヤレスイヤホンの「WE-BD21d」。
[関連記事]AVIOTから“ハイブリッド・トリプルドライバー”完全ワイヤレス「TE-BD21d」が登場!
AVIOT独自開発によるデュアルBAドライバーとダイナミックドライバー搭載の“ハイブリッド・トリプルドライバー”構成のワイヤレスイヤホンで、なんとワイヤレスなのに48kHz/24bitの高音質コーデックaptX HDにも対応します。
ジャンルとしては“完全ではない”ワイヤレスイヤホンですが、ネックバンドも付いていないシンプルな形状。
少し大きめイヤホン部分は高剛性のジュラルミンの削り出しで、外装側面にローレット加工を施した堅牢で高級感のあるメカニカルなデザインです。
このイヤホンの筺体、なにか似ています…。そう、カメラ好きならおなじみ、オーストリア創業(現在はドイツ)の光学機器メーカー“Voigtlander”(フォクトレンダー)っぽいですよね。このメカニカルなデザインは手にとった時に滑り止めも兼ねてます。この凝りまくった設計のお陰でイヤホン重量は見た目よりやや重めの約13gです。
そして、イヤホンの左右は、背中同士がマグネットで強力につっくので、音楽を聞かない時も絡まず持ち歩けます。
装着のオプションとして標準イヤーピースS/M/Lの他に、SpinFit CP100ZをSS/S/Mの3サイズ、イヤーウィングはS/Mの2サイズが同梱されています。IPX5の防水対応だし、首から下げられることも考えると、実はスポーツ用の条件もそろっていますが、ちょっと重いかもしれまん。
ケーブル右側に付くリモコンの操作は一般的な3ボタン構成。中央が再生/停止、曲送り/曲戻しのボタンは長押しで音量操作にも対応とシンプル。なお、最大連続再生時間は13時間です。
■繊細さと生音感を追求したサウンド
ではじっくり聴き込んで音質を確認してみましょう。
まずはiPhoneで普段どおり、宇多田ヒカルの『あなた』から聴いてみると…、予想以上に女性ボーカルの声をハイを強めに鳴らすタイプ。でも、同時に鳴るピアノの質感の生音っぽさ、楽器の音のリアリティが、もう他のイヤホンと別物です。低音はディープに沈むし、情報も出ます。
あいみょんの『マリーゴールド』を聴いても、空間の中で鳴る声の生々しさ、アコギの響きの余韻、バスドラムまで素晴らしく音分離します。BrunoMarsの『24K Magic』も、ハイスピードな音の刻み、空気感まである広がり、空気の振動の情報すら感じる低音。これはもう、別次元です…。
AndoridのスマホのaptX HDで聴くと、ハイの強さも収まり、さらに生音っぽさが半端ないですね。なお、イヤーピースをSpinFitに変えると、より中域にパワーを集中します。
音の良いイヤホンは多々ありますが、「WE-BD21d」はひたすら音源の微細音を生っぽく引き出し、立体的に描写するプロ用のモニター系のイヤホンのようなタイプ。ワイヤレスイヤホンでこの音質、そして1万3000円(税別)の値段は驚く他ありません。
7月下旬には完全ワイヤレス版「TE-BD21f」(1万7500円/税別)の発売も控えています。こちらも登場が待ち遠しいですね!
>> [連載]イヤホンレビュー
[関連記事]
8000円台で”JAPAN TUNED”×完全ワイヤレス!AVIOTの「TE-D01a」
プロ仕様イヤホンの技術を完全ワイヤレスに込めたハイコスパモデル
まとめて解説!2019年のオーディオ市場を読み解く5つのキーワード【CES 2019】
(取材・文/折原一也)
- 1
- 2