■使い方
「UL.ウォーターピュリファイヤーボトル」を分解してみました。右から、アウターボトル、インナープレス、左上がふた、左下がフィルターです。
フィルターをインナープレスに取り付けます。通常は、この状態でアウターボトルに入れて持ち運びます。
水を探します。今回は濾過後の水がわかるようにあえて少し濁った水を探しましたが、できるだけきれいな水を探しましょう。
そのままアウターボトルに水をくんでもいいのですが、当然ですが、汚れが多い水だとフィルターが詰まりやすくなります。葉っぱが浮遊している水なので手ぬぐいで大きな汚れは取り除きました。
インナープレスにふたをして、アウターボトルの上からプレス。約15秒で下まで押し込めます。ふたをきっちり閉めるとフィルターの空気が抜けず、うまく押し込めません。かといってふたをしないで押し込むと、人によっては手のひらが痛く感じるかも。ふたを軽くのせた状態で両手で押し込むと、痛みがなく楽に押し込めますよ。
インナープレスを押すと、ジワジワと濾過された水が湧き上がってきます。
左が、手ぬぐいで大きな汚れをこした水で、右が濾過後の水。濾過後の水はまったく泥臭さがなく、ためらうことなく口にできました。
■フィルター
さて、フィルターの実力を見てみましょう。
専用フィルターは150L分の水を濾過できます。
説明書によると、ロタやノロ、A型肝炎などの「ウィルス」、大腸菌やサルモネラ菌などの「バクテリア」は99.9999%、エキノコックスをはじめとする「原虫」は99.999%除去する実力があるとのこと。
この中でもっとも小さいのはウィルスで、大きさは1〜0.002μm。フィルター自体はウイルスよりも大きな隙間があるそうですが、電気吸着体により微少なウイルスをもキャッチ。軽い力でフィルターに通しつつ、きっちり濾過できる仕組みなんですね。
「電気吸着体」、農薬や化学物質を軽減する「超粉末状活性炭」、菌の増殖を抑える「銀処理済ゼオライト」の3つの層でできた濾過テクノロジーは、当然ですが特許取得済みです。
ちなみに説明書には「海水」「油、油を含む水」「60℃以上の水」「高濃度の化学物質や重金属が流出したと思われる水」は対応できないと明記されています。もっとも信頼できるきれいな水を使うことを前提としているんですね。
購入したばかりのころ、「もしかして透明な飲み物ができるかも!」とコーヒーと抹茶を濾過したことがあります。コーヒーは透明ではなく薄茶色で風味も薄くなりましたし、抹茶に至っては透明の水になることはなく、たった1度の濾過でフィルターが詰まってしまいました。
専用フィルターは2980円(税別)。1杯の薄い抹茶=約3000円という涙の結果になりましたので、みなさんも無駄な実験はしないほうがいいでしょう。
アウターボトルを川の中に沈めて直接水をくんだ場合でも、インナープレスは約2cm上に飛び出すので、インナープレスに直接口をつけても大丈夫です。中にたまった濾過済みの水を、カップに移し替えるのもそれほど気を遣わなくてもいいんです。
外形はφ7.3×24.5cm。1Lボトルくらいの大きさですが、フィルターやインナープレスがあるので要領は473mLです。少々残念な気がしますが、カップ2杯分=約500mL分の水を一気に一人で飲み干すことはまずありません。持ち歩きを考えると、これが実用的なサイズと言えます。
現在は「UL.ウォーターピュリファイヤーボトル」のほかに、飲みやすいキャップ付き「ジオプレスピュリファイヤー」(9980円/税別)が発表されています。
使用シーンはトレッキングやカヌー旅だけではありません。旅人が作った浄水器ですから、水の入手が不安な地域への海外旅行・海外キャンプで活躍しますし、万一の災害時では風呂の水を濾過するのに役立ちます。
優秀な浄水器をひとつ手に入れておくと、安心感が違いますよ!
>> モンベル
[関連記事]
夏の水分補給にコスパ良しな浄水機能付きマイボトル
出先で水を補充してゴクゴク飲める浄水ボトルにカバーがついてさらに便利に!
これひとつで1000L浄水可!防災やアウトドア、海外旅行に便利です
(取材・文/大森弘恵)
- 1
- 2