■VPNルーターは必須
中国はGoogleの利用だけでなく、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSの利用が制限されています。今回は高級ホテルに宿泊させてもらったのですが、もちろんホテルのWi-Fiでそれらのサービスは利用できませんでした。
ホテルのWi-Fiに接続してみると、普段日本で利用しているサービスが軒並み使えないことがわかりました。
そこで、ホテルのWi-Fiを使って調べ物をするときは、Yahoo!を使うことに。とはいえ、日本でほとんど使っていなかったので、調べ物をするのですらひと苦労。また、LINEもFacebookメッセンジャーも使えないので、代わりに「Wechat」でメッセージをやり取りできるようにはしていましたが、普段使わないサービスなので使いにくさは否めません。
そんなこともあろうかと持参していたのが、エクスモバイル社のVPNルーター。同社では「中国ネット規制回避プラン」というものが用意されていたのです。
これがあれば、日本と同じようにインターネットが利用できます。契約したのは2GBプラン。他社のように1日あたりのデータ通信量の制限はなく、2GBが30日間有効で、3000円というものでした。たった1日の滞在ならこれで余裕だろうと踏んだのです。
■VPNルーターを使えば問題なく町を歩ける
実際にVPNルーターを持って町をうろうろしてみましたが、問題なくGoogleマップも見られるし、日本にいる家族や友人とLINEでやり取りできました。
普段、日本にいて2GBあれば数日間は問題なく使えている感覚だったので、4GBではなく2GBプランにしたのですが、これが仇になったのです…。
■渡航前に各アプリの設定を見直そう
2日目の朝、LINEをチェックしようとアプリを起動すると、アイコンに未読マークが付いているのに、LINEを開いても未読のメッセージはありません。そう、これはLINEが受信できていないのです。
おかしいと思いモバイルルーターを確認してみると、データ容量の残量は「0MB」になっています。夜使っていないのになぜ?
そう思ってよく考えてみると、OSやアプリの自動アップデート、TwitterやFacebookアプリの動画の自動再生などをオンにしたまま使っていたのです。どう考えてもデータ容量を使い切った原因はこれしかありません。結局、最後の最後にはスマホの海外定額プランを利用することになり、かなり無駄な出費が生じてしまいました。
いままで2GBでも十分だと感じていたのは、自宅や職場でWi-Fiを使っていたからだったんです。海外に行くと調べ物をする回数も増えるし、地図や翻訳アプリを使ったり、SNSに写真や動画を投稿したくなったりもします。そういう場合を考慮すると、使えるデータ通信容量はできるだけ多いプランにしたほうが安心です。
また、渡航前にスマホの設定の見直しも欠かせません。SNSは使わなければいいだけですが、OSやアプリの自動アップデートをオフにするのを忘れると悲惨です。
SNSを使う場合は、機能を制限することで多少の使い勝手は悪くなるので、あくまでも最低限の利用に留めるのが良さそうです。
中国などの海外渡航に限らず、データ使用量を極力抑えたいときには、これらの設定の見直しをしてみましょう。
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(取材・文/今西絢美)
編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。
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