■ライターみたいにカチッと引き出す「フリーアクセス」
ナイフとプライヤー以外は、全てをたたんだ状態でハンドルの端の突起を押し出すことでツールが出てきます。突起はわずか。そこを指先で押すわけですが、爪でなんとかしようと思ってもうまくできません。
動きは反対ですが、ライターをイメージして親指の腹で押すと軽い力で飛び出しました。ツールはいずれも背側なので、指に当たっても痛くありません。どれかひとつの機能を狙うと難しいので、大らかな気持ちで押し込みます。2つのツールが出てもよし。使いたい機能のほうを取り出せばいいんです。
ナイフは一部に穴があいているので、そこに指の腹を乗せてスライドさせます。
圧巻はプライヤーの開閉です。磁石の力を利用して、片手で開き、カチッとロックできるんです。憧れの「レザーマン片手開き」が楽に実現! この動きがとっても気持ちいい……のですが、写真ではうまく撮れませんでした。
公式動画で、そのスムーズな動きを確認してください。
プライヤー側のハンドル端(写真左)はカバーされています。磁石の力を利用するのでその動きは半永久的。これまでの製品のようにオイルを差す必要はないためでしょう。ゴミが詰まりづらいのはいいですね。
■「WAVE」と比べてみた
長年使用している私物の「WAVE」(写真右)と比べてみました。
「WAVE」はハンドルを開かないと使えない機能もありますが、FREEはプライヤー以外のツールがすべて外側に装備されていることがわかります。これがスマートに開閉できる理由です。
一方、ロック解除ボタンはハンドルの中心側に配置されているので、どの機能も安全にボタンを押せます。レザーマンの一部のモデルはナイフの刃が指をかすめそうになるので、これはうれしい配慮です。
また、「WAVE」に比べるとハンドルが角の丸みが柔らか。すべりにくく、作業時に手の負担が軽減されます。
「FREE P2」のブレードは波刃と直刃のコンボ。根元には誇らしげにUSAの文字が刻まれています。
「FREE P2」(2万円/税別)は、レザーマンの次世代を代表する「FREE」シリーズのスタンダードモデル。ノコギリがほしい人は「FREE P4」(2万3000円/税別)があります。こちらはブレードがコンボではなく、波刃と直刃が独立しているのも異なる点。シリーズではほかに、プライヤーなしの「FREE T2」(5900円/税別)と「FREE T4」(9000円/税別)もあるので大いに悩んでください。
どれを選んでも、片手でパッとツールを取り出して作業をする…。初めてマルチツールに触れる人でもそんな魅せる所作を可能としますよ!
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(取材・文/大森弘恵)
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