防水から片耳利用まで!ガチでランナー志向の完全ワイヤレスJaybird「VISTA」【イヤホンレビュー】

■徹底してランナー向けに作られたイヤホン

Jaybird「VISTA」がどれだけスポーツに適したイヤホンかを考える上で、真っ先に求められる性能は、運動しながらでも外れない“装着性”。

イヤホンは片側6gと小型・軽量。イヤーフィンとイヤーチップは一体構造で、耳に接触する箇所を柔らかな素材にしています。完全ワイヤレスイヤホンはイヤホンの角にあたる点で固定する機種が多いなか、Jaybird「VISTA」は密着する面で密閉するイメージになります。

また“EarthProofカプセル構造”により、IPX7の防水だけでなく、耐汗、さらにランニング中に泥などに落としても壊れないタフネス性能を実現。想定している防水のレベルが、普通のイヤホンとは次元が違います。

携帯性でポイントとなるケースの大きさも74x24×26.5mmと小型化されていて、イヤホンはマグネットでピタッと収まります。

ちなみにこの充電ケースも、防水とは謳っていませんが、基本的にはタフネス設計になっています。連続再生時間はイヤホン本体で6時間、充電ケースで10時間、合わせて計16時間になります。

 

そして面白いのが、スポーツ用として安全性を考えた時の“外の音をどう聴くか”という問題への対処法。Jaybird「VISTA」はズバリ、“片耳だけ装着する”というシンプルな解決策を提案しています。

まず、通信方式に仕掛けがあります。ワイヤレス通信には新開発の「JBS1」チップを採用し、イヤホン両側がマスターとして動作可能になっています。最初に充電ケースのボタンで左右ともペアリングでき、あとは充電ケースから片側だけ取り出し装着すると、片側だけで音楽を聞けます(左右で聴く音楽の片側だけを聴くのではなく、きちんと左右をミックスした音が片側から流れます)。

事前の設定も必要ないし、片側でスポーツ用、両方出せばそのまま普通の音楽リスニング用になるという分かりやすさ。単純なようでいて、意外とこの発想は無かったんですよね。イヤホンを片側だけで使えるので、実質バッテリーを2倍使えて、交互にケースで充電もできるというメリットも。

気になる「JBS1」方式による通信安定性ですが、外に持ち出して電車に乗ってみても電車内では安定。音飛びが発生したのは混雑するホーム程度。公園に持ち出して開けた屋外でのランニング時には音切れは全くナシ。

そしてリモコン操作が面白い。左右共通で1回押しで再生/停止、2回押しで曲送り、長押し、電源オフですが、これはあくまでデフォルト設定。スマホアプリ「JayBird App」を使ったカスタマイズ機能では、spotifyと連動して「最後に聴いた再生リストを再生」「お気に入りの再生リストの1つを再生」も登録可能。“細かな選曲操作ではなく、すぐ音楽を流したい”って発想が、音楽用や日常用ではなく、本気で毎日汗を流しているランナーの発想なんですね。

それでは音質をチェックしていきましょう。

僕のリファレンス曲の宇多田ヒカル『あなた』から聴くと、明るめなナチュラルな歌声に、音楽の広がりと情報をライブに聴かせてくれて、なかなかの高音質。BrunoMarsの『24K Magic』を聴いても臨場感ある音で、低音は適度なレベル。

スマホアプリ「JayBird App」を使うと音質カスタマイズも可能で、例えば“リファレンス”に設定すると、より屋外向きのエネルギッシュな重低音とライブ志向のサウンドに。“PERSONAL EQ”で聴力測定をして自分専用のサウンドチューニングをする、なんてマニアックな機能もあります。

屋外では片耳音楽リスニングも試してみたのですが、イヤホンを装着していない側の環境音が丸聞こえで音楽には集中できません。でも、安全確保用としては安心です。

スポーツ用と呼ばれるイヤホンは数多くあるのですが、Jaybird「VISTA」に触れてみると、踏み込みの“ガチさ”に驚きます。タフネスだけでなく、機能も、操作性も、発想のすべてがランナー志向。音質もカスタマイズ機能も含めて、相当ハイレベルです。これはもう、ランナーの選ぶべき完全ワイヤレスイヤホンの決定版でしょう!

>> Jaybird「VISTA」

 

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(取材・文/折原一也)

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