■人間のおよそ1/10サイズのロボットが挑むトライアスロンとは
オリンピックのトライアスロン競技はスイム1.5km、バイク40km、ラン10kmの合計51.5km。そして、シドニー2000大会以降の5大会で、最速のフィニッシュタイムは、2016年のリオデジャネイロ大会で記録された1時間45分01秒です。
さて、エボルタNEOくんの身長は人間のおよそ1/10サイズとなる17cm。そこで、今年のチャレンジはエボルタNEOくんのサイズに合わせて、スイム150m、バイク4km、ラン1kmと、距離を1/10サイズに縮小したタイムトライアル形式となりました。そして、目指すはもちろん1時間45分01秒以内でのフィニッシュです!
そして、負けず嫌いなエボルタNEOくんらしく、コースは東京2020オリンピック・パラリンピックにおいて、実際にトライアスロンの競技会場となる「お台場」での開催となりました。果たして12回目のエボルタチャレンジ、エボルタNEOくんの挑戦は成功したのでしょうか…。
■気温34度、真夏の日差しが照りつけるお台場でいざ本番!
チャレンジ当日、8月7日の東京お台場は朝から快晴。開会式が始まる11時前には気温35度を超えるという真夏の挑戦となりました。見守る人間にとってもなかなかツラい環境ですが、より温度の高い路面を駆け抜けるエボルタNEOくんにとっては、さらに過酷な戦いになりそうです。
ということで、11時に開会式がスタート。パナソニック関係者の挨拶に続いて、ゲスト解説を担当するトライアスロンオリンピアンである田山寛豪さんからは応援のメッセージが送られました。そして、ロボットクリエイター高橋智隆さんの挨拶と“スイムタイプ”エボルタNEOくんへの電池装着を経て、最初の競技となるスイムのスタート地点への移動となりました。
トラブルもなく順調に準備も進んで、迎えた12時00分。ついにエボルタNEOくんは高橋さんの手を離れ、150m先のスイムパートのゴールを目指して泳ぎ出しました。
風や波もない海面を順調に泳ぐエボルタNEOくん。ゆるゆる、ちゃぷちゃぷ、というイメージかもしれませんが、そのスピードは想像よりも速く、グングンと近づいてくるその姿は力強さを感じます。そして、スタートから12分25秒でスイムのゴールを迎えました。
続く競技は4kmのバイクですが、電池のトランジション(乗せ替え)のために高橋さんがエボルタNEOくんを手に、“バイクタイプ”エボルタNEOくんが待つ、スタート地点に向けて桟橋をダッシュ。そして、2本の乾電池をタスキ代わりに“バイクタイプ”エボルタNEOくんにトランジションし、スタートから14分35秒頃に電源スイッチONとなり、勢い良くスタートしていきました!
バイクとはいえ、お台場の街中4kmを駆け抜けるという長丁場ゆえ、取材もひと息つけるのでは…、と思っていましたが、さにあらず。人間の1/10サイズとはいえ、エボルタNEOくんはこれまで幾多のチャレンジを制してきたプロアスリートです。スタート直後こそ、路面の段差で転倒することもありましたが、徐々に走りも安定。約70℃とも言われる路面温度をものともせず、人間の早歩きほどのスピードで走っていきます。
バイクのスタートから1.8km、お台場の名所である観覧車を望む東京テレポート駅を約39分ほどで通過。エボルタNEOくんのペースはまったく落ちる気配はありません。この頃になると、高橋さんをはじめとしたスタッフはもちろん、追いかける取材陣ももはやトライアスロンに出場しているような雰囲気で、お台場の街を早歩きです。
そして、スタートから1時間05分を経た13時02分頃にバイクタイプからランタイプへのトランジション地点にゴール。
ふたたび高橋さんにより電池の乗せ替えが行われ、13時04分頃に最後の種目であるラン1kmがスタートしました。
この頃には高橋さんも額に汗、取材陣も首や頭にタオルを巻いて夏バテモードに…。一方のエボルタNEOくんはまだまだスタミナ十分!という様子で、段差や上り坂をものともせずに走ります。もはや終盤に突入、エネルギーも消耗しているのではと思いきや、ペースは一向に落ちません。
スタートから1時間23分が経過した頃、エボルタNEOくんは大勢の観衆が見守るゴールエリアへと到達。応援席からは「ガンバレー!」の声と大きな拍手が響きます。
そして、スタートから1時間26分40秒、ついにエボルタNEOくんはフィニッシュゲートを通過!
見事、目標タイムを大幅に更新する記録を打ち立てたのです。いやはや、記録もさることならが、エボルタNEOのスタミナには本当に驚かされました。
乾電池の長もち性能を実証するためのプロジェクトとしてスタートしたエボルタチャレンジ。しかし、多くのファンを惹きつけるのは、エボルタNEOくんや高橋さん、そしてスタッフが目標に向かって本気で“挑戦”しているから。そして、それはアスリートたちが自らのベストを尽くして挑むオリンピックにも通じるのではないかと思うのです。さて、来年はどんなチャレンジを見せてくれるのか、今から楽しみです!
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(取材・文/村田尚之)
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