RR(リアエンジン/リアドライブ)方式の「ビートル」を販売の主力としていたフォルクスワーゲン社が、最初に製品化したFF(フロントエンジン/フロントドライブ)モデルはなんでしょう?
多くの方は「そりゃ『ゴルフ』でしょ」と答えるかもしれませんが、ざんねーん! 答えは「パサート」なのでした。アウディ「80」のコンポーネンツを使った初代パサートは、ゴルフより1年早く、1973年に発表されているんです。
ただし、初代のパサートは、80同様、エンジンは進行方向に向かって“縦”に置かれていました。ゴルフは初代から、より一般的な“エンジン横置き”のレイアウトを採っています。自分のクルマのエンジンレイアウトを気にする人は、あまりいないかもしれませんが、実はクルマの基本的な性格を決定付ける重要なポイントなんです。
誕生以来、パサートはゴルフの上級車種でありながら、どうも「優秀過ぎる弟の陰に隠れた兄」の役割を負わされている気がしてなりません。アウディとのつながりが深くなればエンジンは縦に置かれ、「ゴルフとの部品共用化を進めよう」となると、エンジンは横置きになる…。
8世代目に当たる現行のパサートは、エンジンは横置きにレイアウトします。6世代目からレイアウトは変わっていないので、もう安心…と思いきや、かつてプラットフォームを共有したこともあるアウディ「A4」は、先頃、本国で発表された次世代モデルもエンジン縦置きのレイアウトを堅持するのだとか…。まだまだ予断は許しません。将来のパサートの立ち位置や、いかに!? 興味は尽きません。
■ゴルフのワゴンと比べて荷室は45リッター増
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