いまだ入手困難なAVIOTのコラボ完全ワイヤレスが高音質過ぎた【イヤホンレビュー】

■ベースモデルと何が違うのか

そもそも「TE-BD21f-pnk」はどんなイヤホンなのかをお伝えするために、まずはベースモデルとなる「TE-BD21f」から解説します。

「TE-BD21f」は小型軽量が求められる完全ワイヤレスイヤホンに、高音質化を狙いBAドライバー2基+ダイナミックドライバーという”ハイブリッド・トリプルドライバー”を搭載してしまった、超高音質志向モデルです。音切れしないと評判のクアルコム”QCC3020”チップを搭載と、現時点の最強スペックを誇ります。

「TE-BD21f-pnk」は、そんな「TE-BD21f」をベースにして、日本のロックバンド“凛として時雨”のドラマーであるピエール中野氏がコラボした特別モデルになります。ただ名前を貸しているだけでなく、ピエール中野氏が音質をチューニングし、さらにパッケージ、ブラック×ゴールドカラー、片側に施されたロゴマークまで、あらゆる部分でピエール中野氏のオリジナル仕様になっています。

イヤホン本体は一眼レフのレンズをモチーフにしたストレート型で、表面のローレット仕上げは手に持った時の滑り止め効果もあります。

完全ワイヤレスイヤホンとして大きめですが、僕の耳には上手く収まります。固定するようなフィン等はないのでスポーツ向きではない、と見せかけて…IPX5の防水だったり、落下防止に左右をつなぐストラップまで付属。イヤーピースは標準タイプ以外にSpinFitも付属しているので、音質向上目当てで交換してみるのもアリです。

注目ポイントは見えないところにも。「電源、オン」「接続しました」という日本語音声は、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の常守朱(CV:花澤香菜)と超豪華。これはアニメの主題歌に“凛として時雨”の楽曲が使われていたつながりですね。常守朱…というか花澤香菜さんのボイスは、少し低めに押さえたトーンでカッコイイ。

イヤホン本体の金色のパネルはボタンになっていて、右側を1回押しで再生/停止、2回で曲送り、3回で曲戻し、左側は1回でボイスアシスタント、2回で音量ダウン、3回で音量アップです。

イヤホン単体の最大再生時間は約7時間で、充電ケースを併用で最大25時間になります。スライド式で開くカッコイイケースも、ピエール中野氏のロゴキャラクター入りのオリジナルデザインです。

 

■完全ワイヤレスイヤホンの常識を破る超高音質

まずは「TE-BD21f-pnk」をiPhoneとペアリングして“凛として時雨”の楽曲から聴いてみます。

『PSYCHO-PASS サイコパス』主題歌でもある『abnormalize』。激しいドラムも鮮明に音通り良く刻み、その余韻までクリア。多層的な楽曲のエレキギターと歌声のセパレーションも余裕でこなす圧倒的な再現力。これこそ、手数の多い演奏をするドラマー、ピエール中野氏も納得のサウンドということでしょう。

宇多田ヒカルの『あなた』を聴いても歌声に艶っぽく滑らかな情報を出すと同時に、秘められている楽器の情報量が克明。特にシンバルやバスドラムの音が存在感を発揮します。オーケストラに包み込まれる音場感もステージの広がりも伝わるレベルの立体感があります。

BrunoMarsの『24K Magic』を聴いても、リズムが刻みだけでなく音としての情報量を発揮。重低音の沈み込みは深く、しかも音圧と空気感の鼓動を同時に出せています。もう、今まで完全ワイヤレスイヤホンで聴いていた音楽は別モノです…。

同じ楽曲をAndroidスマホのaptXで聞くと、さらに音の分離感、リアルさ、音場の立体感までアップ。基本はモニター系だけど、音情報の解像力が突き抜けていて、音楽体験を激変させるほどの高音質ですね。

屋外での音切れについても検証してみましたが、混雑する駅のホームで一度だけ一瞬途切れた程度。接続の安定性は高い方でしょう。

ハッキリ言って、「TE-BD21f-pnk」は完全ワイヤレスの常識を覆すほどに高音質です。実売価格は2万円をギリギリ割り込む程度ですが、これならむしろコスパもいいと言えるレベル。こんなに音の良いイヤホンが、ピエール中野氏の発信力によって音楽ファンにも届くという企画も素晴らしいですね。2019年を代表するイヤホンの一つになること間違いナシです。

>> AVIOT「TE-BD21f-pnk」

 

>> [連載]イヤホンレビュー


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(取材・文/折原一也)

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