1)背面の質感は両モデルとも良い感じ
今回試用したは、iPhone 11のグリーンと、iPhone 11 Pro Maxのミッドナイトグリーンの2機種。どちらもレンズの円形を目立たせたカメラ周りが、デザインのアクセントになっています。それに合わせてAppleロゴの位置も中央に。
iPhone 11は背面を1枚のガラスから成形していて、側面のフレーム部には航空宇宙産業で使われるグレードのアルミニウムを採用しています。背面の手触りはしっとりと手に吸い付くよう。グリーンの色味は実物を見る限り、爽快感のあるシャーベットカラー。そこまでポップではなく、どちらかというと伝統色の柳色のような落ち着いた印象。明るさもどことなく上品な趣がありました。
一方のiPhone 11 Pro Maxも背面を1枚のガラスから成形している点は共通。ただし、表面が磨りガラス状になった「テクスチャードマットガラス」を採用しており、手触りはサラサラ。指紋がベタベタと残りにくいのが印象的でした。側面には医療グレードのステンレススティールが使われています。
新色のミッドナイトグリーンは、Appleとしては珍しく王道のガジェット感を醸し出す色合いで、好みが分かれやすそうな気がします。ファッションとのコーディネートを想定するならば、「シルバー」や「ゴールド」といった軽めのカラーも検討すべきかも。
2)とにかく超広角カメラが楽しい
今回アップデートされた中で一番のポイントは、やはり広角カメラが搭載されたことでしょう。両機ともにいままでとは違った表現が可能になりました。
例えば、上のようなシーンを広角カメラで撮影した場合には、被写体と背景が窮屈に収まります。カメラの特性によって、手前の花に焦点を当てると背景はボケてしまっています。
一方で、超広角カメラを用いて撮影した場合には、広々とした構図のなかに、被写体を配置する余裕が生まれます。魚眼のように周囲が歪んだりはしないので、使いやすい。手前にある被写体から背景まで全てにピントが合っている「パンフォーカス」状態を作れることも重要なポイントです。
3)夜景撮影のモチベーションが確実に上がる
「ナイトモード」の登場によって、いままで諦めていたような暗所での撮影も鮮明に行えました。光量に応じて自動で適用されるのことも手軽でイイ。
ナイトモードが有効な場面では、シャッターボタンを押すと、数秒間端末をそのままホールドするようにと指示される仕組みで、UIもよくできています。この待ち時間は明るさによって変動します。
ナイトモードを使うことで、橋の照明が暖かく輝く美しい夜景の写真を残せました。これなら夜の散歩がぐっと楽しくなりそう。夜景を撮るモチベーションは格段に上がりました。比較用にiPhone XSで撮影した写真を下記に載せますが、違いは一目瞭然です。
また、iPhone 11シリーズでは、暗所でのフォーカス速度も向上しています。iPhone XSと比べた印象では、ピントが合うまでワンテンポの差がありました。