■軍幕で寝るための3ステップ
テントは、本体(付属のポールを差し込み自立する。床壁天井が一体になっており、メッシュになっている部分がある)、フライシート(本体の上にかぶせ、天井の役割をし、雨風を防ぐ役割)、モデルによってはグランドシート(テント本体を地面から守るシート)からなるものがほとんどです。
しかし軍幕やタープには、グランドシート、壁部分は存在しません。したがって、その部分はほかのもので代用する必要があります。と言っても工程はわずか。
【ステップ1】床を作る
軍幕を張り終わったら、グランドシートと寝るためのマットを敷きます。
私はグランドシートに「オレゴニアンキャンパー」のグランドシートを使用しております。重いのが難点ですが、防水性が高く、厚手なので風に飛ばされにくく、重い分ペグ打ちしなくてもしっかりと敷けます。ブルーシート等でももちろん代用可能です。
スリーピングマットは、「サーマレスト」のZライトソルがおすすめ。展開が簡単なこと、岩にひっかけたり、焚き火の火の粉が飛んでも使えなくなることはありません。寝心地も抜群ですし、地面からの冷気も完全にシャットアウトしてくれます。
【ステップ2】寝袋の準備
寝袋を展開します。寝袋は寝る前に広げるより、設営時に広げておくのがベスト。設営時に広げ、可能であれば天日干しをしておくと、小さくなった羽毛が広がり、空気の層を作ってくれるので、ふわっふわな状態で寝られます。
【ステップ3】その他のセッティング
色々な自分の装備をバックバックの中から出すものとそうでないものに分けておきます。そんな中で、私は必ず寝袋の上にブランケットをかけておきます。理由は焚き火の火の粉除けです。
私はほとんどのシーズンで、夜露や雨を軍幕やタープでしのげれば、あとはこのまま。春夏秋冬フルオープンで寝ています。一度フルオープンで寝てみてください! 開放感がクセになりますよ。
ただ、気を付けなければならないことは、動物や虫除けです。動物が出るようなところであれば、可能な限り火を絶やさない(もちろん周りへの厳重な配慮をしながらですが)。食料は出しっぱなしにしないで、クーラーに入れたり、木の高い所に吊るすなどの工夫をしましょう。
虫が出る季節に関しては、焚き火や、蚊取り線香、虫よけスプレーなどの対策と同時に、下のような蚊帳を張るのもいいと思います。
上の写真は自立せず、下まで覆えないタイプの蚊帳です。
このような蚊帳もあります。自立はしませんが、床から全体が覆われおり、テント本体の自立しないタイプみたいな感じです。両サイドをロープで引っ張れば、広い空間を取ることも可能です。
この写真はコットの上に、ハンモックを乗せ、片方だけつるして虫よけとしております。ハンモックも木に吊るす以外にこんな使い方もできますよ! 蚊帳が一体型のハンモックであれば、下からの虫もシャットアウトできますね。
最後に、フルオープンで寝るのは抵抗がある方へ。安心してください。ちゃんと軍幕は張り方によって、フルクローズになる幕もあります!
USパップテント。2枚でフルクローズに張ることが可能です。
東ドイツ軍テント。こちらは4枚でフルクローズにすることが可能です。
ポーランド軍テント。2枚でフルクローズにできます。
この他にもさまざまな軍幕でフルクローズにできる幕はありますよ。ただ軍幕を張ってる方はだんだんクローズしなくなる傾向がありますね。露出狂なわけではないと思うのですが(笑)、やはり開放感がクセになるんでしょうね。
* * *
ちなみにタープでも張り方によってはフルクローズになります。ただ、フルクローズにする必要がなければあまりしませんね。虫除けは、上述したような蚊帳があればいいので、私はあまりクローズして寝なくなってしまいました。
寒さを防ぐには、いい寝袋があれば、フルオープンでも十分に寝られます。冬にフルオープンで寝るには、快適温度‐10℃以下の寝袋が良いと思います。限界温度よりも、快適温度を基準としてくださいね。どの地域かにもよりますが、関東近郊のキャンプ場であれば、上記の温度の寝袋なら問題なく寝れます。
皆さんもぜひ大自然の中、それを最大限に感じられるような寝方をしてみてはいかがでしょうか?
>> 連載 [不自由を自由にする野営スタイル]
(文・写真/RYU)
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント @ryu chikazawa #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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