ビーム照射角3.1度という鋭い照射を可能にする要因の1つがこちらのレンズ。凸形のレンズを保護する目的でステンレス製のベゼルリングが付いています。リングは着脱可能。装着の向きを反対側にすればストライクベゼルにようになりますが、携帯するのであればこのまま使うのがいいかと思います。これでも十分に落下時の衝撃を緩和してくれると思います。
従来のLEDフラッシュライトと最も異なるのは、LEP エミッタというレーザー励起の新世代発光デバイス搭載している点です。直進性の強い、前方に収束された光を放つことができ、凸型レンズにより周辺光のほとんど無い驚異的な集光性能を実現しています。これまでにも多くのスポット系のライトを見てきましたが、このサイズでこの集光性は未だ他にありません。
スイッチはテールキャップ式のプッシュスイッチ。半押しでのモメンタリー点灯も可能。モード切替はなく、250ルーメンのシングルアウトプットです。スイッチカバーは大きく、反応もセンシティブ。軽いタッチで点灯、消灯が可能です。若干クリック音が派手ですが、確実に押したことを耳と指先の感覚で認知できる点は、取り扱いを注意しなければならないこのライトにとっては必要なものかもしれません。
ボディはアルミ合金製。精緻に切削されたボディはACEBEAMらしいものであり、表面に施されたTYPE3のハードアノダイズドは擦り傷に強い仕様です。
付属充電池はIMR21700形。18650形充電池よりもひと回り長く、太い充電池です。放電能力は20Aと非常に高く、安定した初期照度の維持に貢献します。付属品として18650形充電池およびCR123乾電池2本が装填可能なアダプターがあります。乾電池使用時はランタイムが短くなります。18650を使用する場合は、付属充電池同様にIMR(リチウムマンガン)を使ってください。
雨後の時間。それはライトマニアにとっては至福の一時(笑)。ということで、素晴らしいビームパターンを見られました。空気中にチリや水分が無くともよく見えるW10の照射光軸ですが、やはり雨の後の湿度ある屋外がベストな環境です。屋内のスモークも良いですが、屋外での照射は違った楽しみがあります。これで250ルーメンですから、いかに無駄なく集光されているか分かるかると思います。
メーカー公称のビームディスタンス1kmが確認できるかというと難しいですが、夜空に向かって照らしたくなるライトであることは間違いありません。星空の観測にレーザーの代わりにも十分使えることでしょう。広く照らすことはできませんが、ポインターとして1点を強く照らすような使い方には適しています。ただ、あまり近いと反射光がまぶしくて仕方ありません。数十メートル離れた場所を「ここだよ」と照らし指示するようなライトです。使う用途は限定的でありますが、それをこのサイズで実現したモデルは他にありません。
なにより、光軸を楽しむのであれば、間違いなくお薦めの一本です。(アカリセンター価格:3万555円)
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(文・写真/HATTA)
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