■実は飛行機用プラグ付き!
「WI-1000XM2」は、ソニーのネックバンド型イヤホンでは最上位モデルになります。ワイヤレスでハイレゾ音質のLDACコーデック対応、ヘッドホンと同じ高音質ノイズキャンセルプロセッサー“QN1”搭載で差別化し、さらに内部の“HDハイブリッドドライバーシステム”も有線イヤホンで実績のあるパーツが使われています。
ネックバンド型なので首周りにイヤホンが乗る事になりますが、シリコン製なので重量感はナシ。キャリングケースにも丸めて突っ込めるので、ストレスがありません。
イヤーピースは標準の“トリプルコンフォートイヤーピース”と“ハイブリッドイヤーピースロング”の2種類。どちらもソニー独自素材のもので、ケースに綺麗に収まるところなど、細かい部分からも、あらためて「WI-1000XM2」は高級機なんだな…と実感します。
リモコンはネックバンドからイヤーピースへの途中に付くタイプ。音量+/-はダイレクトに操作できるし、中央のボタンでは再生/停止、曲送り/戻しも操作可能。でもリモコンが首の横にぶら下がる形は、個人的には邪魔で操作しにくいかなと。旧モデルはネックバンド部に一体化していたんですけどね。
キャリングケースは持ち運び用で、充電機能はありません。ちなみに駆動時間は、ノイズキャンセルON/OFFで変わり、ONなら最大再生時間は10時間です。
飛行機の中では気にところというと、やはりノイズキャンセル。「WI-1000XM2」は最上位モデルだけあり、相当に効果があります。騒音としては最も条件の厳しい飛行機内でもゴーという耳障りな騒音を感覚的には1/5くらいまで下げてくれて、気にならないレベルに。
フライト用と考えた場合、ヘッドホンだと寝るときに邪魔になるし、完全ワイヤレスだと長時間フライトではバッテリーが持たない。そうなると、いわゆるワイヤレスイヤホンタイプの「WI-1000XM2」が一番ストレスがないんですよね。
それに「WI-1000XM2」には航空機用の有線接続アダプタも付属しているので、機内エンターテイメントもノイズキャンセルを効かせて楽しめるという点もポイント高し。
■さすが最上位だけあり高音質!
では、音質もチェックしていきましょう。
iPhoneでDSEE HXオンの設定に。宇多田ヒカル『あなた』から聴いていくます。歌声も楽器もすべての音の情報が瑞々しい質感を備えてバランスよく聞こえてくるタイプ。楽器やコーラスは生っぽいし、もう臨場感が圧倒的です。低音は、静寂のなかでドラムの弾けるような音が。そしてビックリするほど真面目で精緻な高音質。Bruno Marsの『24K Magic』も、音の情報を全部出した上でキレある低音のリズムでクリアに鳴らしきります。
LDACコーデック対応のAndroidスマホで音楽を聴くと、さらに全体の情報密度がアップします。もう、ここまでくると有線の高級イヤホンのレベルに余裕で踏み込みます。
イヤーピースは、トリプルコンフォートが音の情報と質感重視の標準。ハイブリッドが若干硬さのあるタイプでカスタマイズ可能。音質だけならスマホ用のアプリでイコライザが使えるので、自分好みにカスタムするという選択肢もアリ。
ちなみにノイズキャンセルだけでなく、外音取り込みにも対応しています。飛行機ではまず出番がない設定なので駅でチェックしてみると、周囲の環境音を程よくミックスしてくれて実用性十分。スマホアプリで音楽と外音のバランスを調整をした上で、“ボイス”をONにしておくと、駅構内のアナウンスも聞き逃さず飛び込んできます。
ノイズキャンセルで高音質、カスタマイズまで可能と、何でもそろっている「WI-1000XM2」。ソニーのワイヤレスヘッドホンの全力を3万5000円前後で買えると考えると、このお値段でも安いかも。特に、完全ワイヤレスイヤホンでは物足りない、でもヘッドホンは持ち歩きたくないという出張族のお供にもオススメします!
[11月26日]※価格に誤りがあり、修正しました
>> [連載]イヤホンレビュー
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(取材・文/折原一也)
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