「フィールドラック」としての登場は2013年ですが、市場に現れたのはもっと前。以前は「クーラーBOXスタンド」という名前、さらにその前は、1998年登場の「テントサイトシステムセット」というラックが5台セットになった製品として参入していました。高さなど細部の違いはありますが、基本構造は原型モデルとなる「テントサイトシステムセット」と同様です。
おおよそ20年前はオートキャンプ人気が一段落した頃で、今のようなロースタイルが定着しておらず「便利だけれどバラバラのラックを重ねたり並べたりするよりも、キッチンスタンドでいいのでは?」という気分でした。
ところが時代が変わり、2017年。
前年、ブラック仕様のツインバーナーが大ヒットを記録したユニフレームは、それまでの伝統、クロムメッキ仕上げであった「フィールドラック」にブラックを追加。
これが多くのキャンパーに刺さったようで、品切れ店が続出するヒット商品になったのはご存じの通り。
さて、20年の時を経て、キャンパーの心をわしづかみにした「フィールドラック」。その魅力を改めて見ていきましょう。
■とにかく薄くて収納場所に困らない
<収納サイズ>
これまでのラックに比べて、フィールドラックは驚くほど薄くたためて、重量も2kg以下。それでいて分散耐荷重は30kgを約束しています。
収納サイズは60×35×1cm、重量1.7kg。2枚重ねても厚みは2cmですから、コンパクトカーのラゲッジにも無理なく入れられます。よくある、天板が同等の広さを持つ3段木製ラックは厚みが10cmほどになると思えば、フィールドラックの薄さが際立ちます。
木製ラックは3段で約3kgのものが多く、3台分の「フィールドラック」と比べると、重量でいえば木製ラックのほうが優位ですが、耐荷重ではフィールドラックの圧倒的勝利。
■脚を広げるだけのイージー組み立て
<組み立て>
「フィールドラック」には細かな部品はなく、ネジもなし。ただ広げるだけで準備できます。
脚はこのようにパイプが溶接されていて、その中に脚が刺さっています。ネジではないのでゆるむことはありません。
脚と脚の中間にツメがあるので、これを一番端のワイヤーに引っかけます。思い切って広げないといけない作業なので、力の弱い人はうっかり2番目のワイヤーに引っかけがちですが、これではぐらついてしまいます。間違えないようにしましょう。
完成です。見た目は華奢ですが、クーラーボックスやダッチオーブンを載せてもぐらつきません。
■1台の組み立てサイズは60×35×23cm
<並べ方・重ね方>
単体でも並べても重ねてもいいというマルチぶりが「フィールドラック」大ヒットの一因。一体どのように使えるでしょうか?
60×35×23cmなので、ローチェアと並べるとやや低く感じます。
とはいえ手は届くので、飲み物や焚き火道具を置くといい感じ。2台並べるとソロキャンプの極楽・快適作業スペースになります。
次は2台を垂直方向に重ねてみました。高さは約45cm。ローチェアにちょうどいい高さになりました。3段、4段重ねるとキッチンスタンドのようになり、立って料理しやすい高さになります。
脚を浮かせている状態なのでちょっとわかりにくいのですが、上段の脚は、下段の天板となる2本のワイヤーがしっかり支えられる絶妙な幅になっています。さらに、天板部分は周囲のフチが高くなっているためズレにくい構造。
4段まで重ねられ、3段以上重ねる場合は別売のコンプレッションベルト1300(834円/税別)を利用して固定すると安心です。
シンプルな作りのため拡張アイテムを自作するDIY自慢のキャンパーの姿も。自己責任となりますが、自分らしくアレンジできることもフィールドラックの魅力です。