BLL(と略しますね)のベースとなったのは、1.3リッターのガソリン(92馬力)、1.5リッターのディーゼルターボ(105馬力)ともに、デミオの最上級グレード「ツーリング Lパッケージ」。このグレードは、充実した装備に加え、オフホワイトのレザー内装(合成皮革)が特徴ですから、新しいBLLはそのブラック内装版、ということができるかもしれません。
価格は、1.3が177万1200円(FF)と196万5600円(4WD)。ディーゼルが205万2000円(FF)と224万6400円(4WD)。いずれも、ベースグレードと比べて3万2400円高くなります。
ボディカラーは他のグレードに準じますが、開発陣のオススメは“ブルーリフレックスマイカ”。グレーがかった渋い青で、ヨーロッパの街並みや石畳の道に似合いそう。
ドアを開けて車内をチェックすれば、シートはクロスとブラックレザーのコンビネーションになっています。さらに、インパネの助手席前にあるパネル、ドアアームレスト、センターコンソールのサイドに、ブラックの合成皮革(ドア内張は黒のビニールレザー)が使われます。
ちなみにデミオでは、ひとつ下の「ツーリング」グレードでも、インテリアの一部に黒の合成皮革が奢られますが、BLLのそれには、より上等のものを使っているのだとか。インパネやシートのシルバーストライプやステッチもいいアクセントとなっていて、まさに“シックでクールな大人の世界"を表現できているのではないでしょうか。
2014年に、「クラス概念を打ち破る」と謳って登場したデミオ。“魂動デザイン"をまとったエクステリアは“素"のままでも十分魅力的ですが、これまでも、より個性的な内外装を与えられた特別限定車が設定されてきました。
赤と白をテーマカラーにした「ミッドセンチュリー」、“スモーキーローズマイカ”と呼ばれるパープル系の車体色と細いストライプ地のシートが印象的だった「アーバンスタイリッシュモード」。今回のBLLは、こうした“スタイルコレクション”コンセプトの第3弾というわけです。
デミオは、コンパクトカーとしては珍しく、男性ユーザーの比率が高い(74%)クルマですが、スタイルコレクションに関しては、女性のユーザーの比率がググッと増すのだとか。今後も定期的にスタイル提案をしていくというので、期待しましょう。
ちなみに、外野の気楽さでひとつ提案しますと、将来的には、シート、インパネ、ドアまわりに限らず、肩から上、つまりピラーの内張や天井までを含めてトータルコーデできないものでしょうか? 今回のBLLでいうと、例えばピラーや天井に濃茶の素材を使うとか。
もちろんコストは跳ね上がるでしょうが、これまで高級セダンやSUVに乗っていた層が、今後、コンパクトカーに乗り換えることを考えれば、(もっと、もっと)贅沢なデミオがあっていいのかもしれません。目指せ、ランチア「イプシロン」ってとこですかね!?
<SPECIFICATIONS>
☆XDブラックレザーリミテッド
ボディサイズ:L4060×W1695×H1525mm
車重:1130kg
駆動方式:FF
エンジン:1498cc 直列4気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6AT
エンジン最高出力:105馬力/4000回転
エンジン最大トルク:25.5kg-m/1500〜2500回転
価格:205万2000円
(文&写真/ダン・アオキ)
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