■リスニングケアで音質を自動調整
ヤマハの完全ワイヤレスイヤホン第一弾として登場した「TW-E3A」。3つのラインナップの中では最もエントリ向けの機種ですが、完全ワイヤレスイヤホンとして高音質機種の鉄板であるであるクアルコム社の“QCC3026”を搭載と、相当こだわりのスペック。
ヤマハオジリナル機能として、人間の聴覚特性に合わせて音量ごとに帯域バランスを調整する“リスニングケア”機能まで搭載。実売価格も9000円台ということもあり、決して安さを狙った機種ではありません。
イヤホン本体は、丸みを帯びたナチュラル系のデザイン。今回試したスモーキーブルーは、日本のメーカーらしい控えめなトーンです。片側6.1gとサイズは少し大きめですが、装着したデザインもさほど目立ちません。
付属のイヤーピースはSS/S/M/Lで、フィット感の調整に小さな固定用フィンの付いたスリーブの交換も可能。そのままでは支えがなく、かつ耳へと強力にフィットするタイプではないので、落下が心配ならフィン付きスリーブへの交換を推奨します。なお、保護等級IPX5相当なので雨濡れ程度なら問題ありません。
イヤホン中心部はボタンになっています。左右どちらでも一回押しで再生/停止、左右のボタン2回押しで音量-/+、左右のボタン長押しで曲送り/戻しと、音楽再生中の操作は問題ナシ。
本体の連続再生時間が6時間で、付属バッテリケースで3回充電できるので合計24時間。スペック上は今となっては標準的といったところ。付属ケースのデザインもナチュラルトーンでまとめられています。
■iPhoneを組み合わせて音質をチェック
宇多田ヒカルの『あなた』を聴くと、情報量豊富で全帯域を華やに引き出すサウンド。女性ボーカルの歌声をシャープに立てつつ、音の響きも印象的に聴かせてくれる絶妙なバランス。低音は量的には抑えめですが、モニター系イヤホンのような硬質なタイプです。BrunoMarsの『24K Magic』を聞いてもハイの張りをしっかりと出しつつ、重低音は音情報で勝負。スマホをGALAXYに変えてaptXコーデックで同じ曲を聴くと、音傾向はほぼ同じで微細音の再現力がアップします。
なお、「TW-E3A」に搭載されたヤマハ独自の“リスニングケア”はデフォルトでONになっています。スマホアプリ“Headphones Controller”でOn/Offを切り替えてみると、中音量程度では主に中域、小音量では主に低域のレベルが補正されて、バランス調整されるようです。
音途切れについては、数日間ターミナル駅や電車で使ってもみても片側の音途切れも全くナシでした。
ヤマハ初の完全ワイヤレスイヤホン「TW-E3A」。同時に発表された完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデルの「TW-E7A」(発売は2020年春に延期)がノイズキャンセル対応だったり、1万円台後半の「TW-E5A」も登場したりと目移りしてしまうラインナップの中ではシンプルな入門モデルですが、それでも音質の良さは褒めずにはいられません。
「TW-E3A」は実売価格で9000円台として高音質というだけでなく、聴感上の“いい音”の作り込みが巧み。1万円クラスまで含めて音質重視で選ぶなら候補に入れたいハイコスパモデルです!
>> ヤマハ「TW-E3A」
>> [連載]イヤホンレビュー
※(2月1日15:00)タイトルと本文の価格部分を実勢価格に合わせて8000円台から9000円台に修正しました(&GP編集部)
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(取材・文/折原一也)
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