オーナーさえ知らなかった新事実!マツダのSUVはオフロードにも強いんです

■オフロード・トラクション・アシストは転ばぬ先の杖

マツダの最新SUVに採用されるオフロード・トラクション・アシストを実際に悪路で試してみると、その効果は絶大だった。

イベント会場に用意されたモーグル路面は、本格オフローダー向けのものであり、タイヤが路面から大きく浮き上がるなど、起伏の激しいものだった。そんなハードコースにおいて、オフロード・トラクション・アシストをオフにしたCX-8は、予想外に前へと進んでいく。しかし、刻々と変わる路面に足をすくわれ、タイヤが空転してしまうともうお手上げ。とたんに前へと進めなくなってしまうのだ。

そんな時はここぞとばかりに、オフロード・トラクション・アシストのスイッチをオンに。「グイグイ…」とはいかないまでも、「グググ…」と静かに、そして着実に、CX-8は前へと進んでくれる。

もちろん、マツダのSUVを買う人のうち99%以上は、こんな過酷なコースに足を踏み入れることはないだろう。だからといって「こんな機能はいらない!」と決めつけるのは早合点だ。例えば、降雪地域に住む人やウインタースポーツに出掛ける機会の多い人は、滑る路面での発進時やスタックした際などに、オフロード・トラクション・アシストが効果を発揮。また、キャンプなどアウトドアレジャーに出掛けることの多い人は、雨の後のぬかるんだ路面で足下をすくわれても、立ち往生するのを防いでくれる。まさにオフロード・トラクション・アシストは、万一の際にドライバーをサポートしてくれる機構なのだ。

そのスイッチは、“オンロード中心の日常”と“オフロードに特化した制御の非日常”とを切り替えるためのもの、と考えれば分かりやすい。せっかくの機構だけに、オーナーになった人にはぜひ、オフロード・トラクション・アシストの使い方を理解しておくことをお勧めする。

■タフなイメージを訴求し始めた最新のマツダSUV

ちなみに今回のオフロード試乗会では、CX-5、CX-8、そしてCX-30という3台のマツダSUVをドライブした。

まずCX-30で、軽めのオフロードへとコースイン。最適地上高は175mmと、3台の中では最もクリアランスが小さいため、激しい悪路をガンガン走行するのは難しい。それでも、普通の使用シーンではなかなかお目にかかれない、少しぬかるんだ悪路を涼しい顔で走破してみせた。

特に、オフロード・トラクション・アシストをオンにしておくと、滑りやすい急斜面を上る際などに電子制御が介入。時々、「ガガガガッ」とクルマが勝手にブレーキをかけながら、着実に前へと進んでいくのを確認できた。

続いて、CX-8とCX-5で本格的なオフロードコースへ向かう。本格オフローダーを対象にしたコースは傾斜がきつく、路面もかなり荒れている。最初に説明を受けた時は「都会っ子のマツダSUVをここで試すのか?」と、正直、不安に思ったが、そんな予想は見事に裏切られた。2台はノーマルタイヤでも、驚きの走破力を見せてくれたのだ。

マツダのSUVは美しいけれど悪路に弱そう…。そんな心配は全くの杞憂だった。マツダ自身もここへ来て、CX-5に前後アンダーガーニッシュやルーフレールを装着し、アクティブなライフスタイルをサポートするアクセサリーパッケージ“タフスポーツスタイル”を設定するなど、力強くタフなイメージをアピールし始めている。

CX-5 タフスポーツスタイル

それだけに、今後は街中だけでなく流行りのアウトドアシーンにおいても、マツダSUVの姿を見る機会がますます増えそうだ。

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部、マツダ)


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