井上 晃(井上)「昨年はたくさんのSIMフリースマホが発売されました。いま端末を選ぼうとすると、大体60~70機種くらいを検討しなくてはいけなくなっています。SIMフリーに挑戦したい人は、まずどこのメーカーに注目すればよいと思いますか?」
村元正剛(村元)「やっぱりASUS(エイスース)でしょ。SIMフリーでは今一番売れているわけですから。皆さんの印象はどうですか?」
今西絢美(今西)「“全部入り”って印象ですね。ソツなく色んな機能が入っているので、キャリアのスマホを使っていた人でも満足できるんじゃないかな」
井上「格安スマホ人気の火付け役だった『ZenFone 5』の印象が強いですね。値段の割にコストパフォーマンスが良い」
村元「昨年発売された『ZenFone 2』などもその系統を引き継いでいて、コスパいいですよ。MVNOとのセット販売が多くて、入手しやすいのもヒットした理由でしょうね」
今西「でも、この前発売された『ZenFone Zoom』は5万円越えでしたよ?」
井上「確かに。いまはもう“格安スマホ”って呼ぶべきじゃないですよね。SIMは格安ですけれど、高性能を謳っている端末は高いですからね。HUAWEI(ファーウェイ)の『Mate S』なんて8万円超えますし」
村元「HUAWEI端末、良いですよね。タッチの操作感とか総合的なスタイリッシュさの部分では、ASUSより好みかも。通信端末を作ってきた歴史が長いですから。『P8lite』も昨年かなり売れましたよね」
今西「いやいやいや、ASUSの方がいいですよ。HUAWEIはお洒落だけど、ASUSの端末は個性があって好きです」
村元「でもASUSも端末の形が全部同じですよ?」
今西「背面のなめらかな質感と、ポップなカラバリが女子としてはたまらんのです」
日本ブランドで頑張る「FREETEL」
井上「日本発のスマホとしてはFREETEL(フリーテル)も注目ですよね」
今西「格安スマホの王道ですし、とにかく安くてシンプル。どうせ買い替えるならSIMだけじゃなくて端末も安く手に入れたいですし、かと言って、安かろう悪かろうではない点が評価できるかな」
井上「これだけ多くの端末があるなかで必ず目に留まる安さですよね。通信プランも扱っているから実現できる値段かなと。なんというか、頑張っている感じが伝わってきます」
村元「去年はハイエンドの『KIWAMI』を出して、今度は折りたたみ型の『MUSASHI』を出しますからね。価格帯やデザインのバリエーションも増えますね」
今西「『Priori』シリーズはカラバリが多い点も、女子目線では魅力的です」
村元「うん、新興メーカーとしては一番頑張っているんじゃないかな。特別な機能とか求めなくて、コスパ重視で端末を選ぶのなら一番良いでしょうね」
「ZTE」が洗練されてきている
井上「まだまだほかにも多くのメーカーがスマホを出しています。シャープ、富士通、Acer、ALCATEL、HTC、ZTE、などなど。気になるメーカーってありますか?」
村元「ZTEが最近すごく良いんですよ。急速にファーウェイに追いつこうと頑張っている感じがしますね。デザインにもお金をかけて開発しているんだろうなって」
井上「価格も4~5万円台が中心ですから、手が出しやすいですね。あと、ZTE『AXON mini』は生体認証を2つも3つも重ねているのがユニークかと」
今西「ZTE『Blade S7(g05)』は、iPhoneやGalaxyといった人気スマホの良いところをうまく取り入れた感がありますね」
村元「そうそう。それにデザインに関しては、やっぱりファーウェイやZTEといった中国メーカーが洗練されているんですよ。ほら、このベゼル見て下さい」
今西・井上「めっちゃ薄いっすね!」
「サウンド」に注目するのもひとつの手
井上「そういえば“Nexus”ってどうですか?」
今西「Android 6.0(Marshmallow)を搭載してますからね。新しいもの好きとしては要チェックでしょうか」
村元「ホーム画面やアプリを自分でカスタマイズして使いたいという端末ですね。初心者というより中級者向けでしょう。あと、『Nexus 6P』に関してはスピーカーの音も良いですし、純粋に”良い”端末ですよ」
井上「HUAWEI製ですもんね」
今西「音が良いといえば、ALCATEL(アルカテル)もありますね」
村元「そうそう、端末の正面にステレオスピーカーが付いているから音の響きが良いんですよ。機種によっては背面にモノラルスピーカーが付いているものもありますが、全然音が違う。触れる機会があったら音を鳴らして比べてみて欲しいですね」
今西「“フランス”ブランドのスマホってオシャレな感じしますね」
何を重視して端末を選ぶべきか?
村元「女子目線でスマホを選ぶ時って何を重視していますか?」
今西「一番重視しているのはデザインとカラバリですね。やっぱり可愛さが大事。あとはなるべく実機を触ってみることが大事じゃないでしょうか。スペック表の数値が高くても意外とタッチの反応がいまいちなこともありますから、お店で買うのが一番安心かも。ネットで買うにしても一回触ってから決めるのがオススメです」
井上「カメラとかは?」
今西「アウトカメラはできれば“1300万画素”欲しいですね。あと、個人的にはInstagramとか好きなので、インカメラも重視したい。500万画素じゃちょっともの足りないから、どうせ買うのなら“800万画素”は欲しいかも」
村元「注意したいのは画質の良さを謳っている端末ですよね。色合いなどのチューニングが外国人向けだったりするので、たまに日本人好みになっていないこともある。カメラの画質を重視するなら、画素数関係なくAQUOSとかarrowsがオススメだと僕は思いますね」
今西「なるほど。井上くんは何を重視します?」
井上「使いやすさですね。画面は“フルHD画質”がマストで欲しいですし、カメラだったら1300万画素に加えて“光学手ブレ補正”機能はあって欲しい。あとは、長く使った時に不満がでないように、“ボタンや指紋センサーの位置”、“文字入力のしやすさ”などを確認するべきです。お店では、とりあえずメッセージアプリを起動して片手で文字入力してみるとよいと思います」
村元「でもキーボードはGoogle日本語入力とか入れてカスタマイズできるじゃないですか」
井上「いや、違うんですよ。メーカーが理想と考えたデフォルト設定でどこまでできるのかが重要だと思うんです。端末の形状とかも関係してきますから」
今西「薄すぎて持ちづらいことがありますからね。薄ければ良いってもんでもない」
井上「そうそう、薄さ8mm以下の端末は要注意ですね。人によって好みが結構分かれますから」
村元「うーん、でもハイエンドで6万超えてくるとちょっと高いよね。僕はせっかく使うんだったら、端末も“安い”ものを探した方が良いと思う」
今西「確かに。60種類も端末あれば、安くて良いものもありますからね」
村元「意外と日本に馴染みのないメーカーが狙い目ですよ。買ってもらうためにかなり値段を抑えていますからね。ALCATEL『ONETOUCH IDOL 3』とか、性能は良いのに3万円台ですから。高い端末なんてもったいない。安い端末にしとけってことです。皆さん敢えて無名メーカーにしときましょう!」
井上「いやいや、ちょっと危険ですよ(笑)。最新iPhoneを使っていた人が乗り換える場合は、今まで通りの感覚で使えるとは思わない方がいいですって」
今西「でもiPhoneを節約メインで買った人なら検討してもいいんじゃない? 何世代も前の機種を画面割れてまで使い続けるよりは安いのに変えた方がいいかも」
井上「あー、なるほど。それはありますね」
今西「あとはXperiaとかiPhoneに比べると可愛いアクセサリーバリエーションが少ない点に注意ですね。可愛いケースとか選べないですから」
3人のイチオシ端末はコレだ!!
村元「ZTE『Blade S7(g05)』が良いです。NTTレゾナントがセット販売しているので、SIMやスマホカバーと合わせて購入しても結構安い。コストパフォーマンス度では一番高いと思います。iPhoneを使っていた人でもなじみやすいデザインとUIですし、アクセサリーが豊富に用意されている点も◎。初めて格安スマホを使う人には一番オススメです」
井上「HUAWEI『Mate S』がオススメですね。8万円越えという高額な値段設定ですが、それに見合った性能がある。操作性・デザイン・機能と3拍子揃っているので、3年以上格安SIMを運用したいという場合に、不満を持たずに使えるはずです。キャリアのXperiaやAQUOSと比べても見劣りしないので、目新しい端末を使ってみたいというガジェット好きな人にも、“コレが面白いよ!”と提案したいですね」
今西「イチオシはZenFone 『Selfie』ですね。インカメラが綺麗で画像加工もすぐできるからSNSへのアップも簡単。カバーを使わなくても可愛いパステルカラーのデザインが良い。セルフィー機能に特化した端末はほかにも増えてきているけれど、端末自体の可愛さも兼ね備えているのはコレ。画面に文字を書いてアプリをショートカット起動する“ZenMotion”など、便利な機能も搭載されていて楽しいですよ」
(文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
- 1
- 2