本気で欲しいキャンピングカーを選んでみた!「ジャパンキャンピングカーショー」

孤高のソロキャンパーへ。【お手頃サイズ】3選

日本が生んだ独自のカテゴリーである軽キャンピングカー。工夫を凝らし、小さな軽自動車の中に収納、就寝、シンクなど架装するのは、さながら箪笥が置かれた茶の間で寝て、テレビを見て、食事をするライフスタイルのよう。

キャンピングカーの構造要件には「乗車定員の3分の1以上の就寝設備を車室内に有すること」という項目があります。そのため軽キャンパーも就寝人数は2人のものが多いですが、ゆったり寝たいならソロキャンプ用と割り切ったほうがいいかも。

一方で「今日は旅館に宿泊、明日はテントでキャンプ、そしてたまにはクルマの中で寝よう」という使い方なら2人で長期の旅に出ることだってできます。また1人+ペットというスタイルで軽キャンパーで旅する人も多いですね。

軽キャンパー以外にも日常使用の利便性を考えたミニバンベースのキャンピングカーが人気。一方でキャンピングカーは決められた要件を満たす水道設備及び炊事設備を有することが定められています。そこであえて水道や炊事設備は排し、就寝スペースを広くとった「車中泊車」も注目されています。

 

MYSミスティック「J-cabin Mini J FC」

軽キャンパー

J-Cabin Mini J

軽トラックの荷台にキャビンを載せて使用する「J-Cabin Mini J」シリーズ。写真はキャビンを広げ快適性を高めたハイゼットジャンボ用(撮影車両価格295万円)になります。

このシリーズは国内メーカーの軽トラに一通り対応しているため、顔つきや駆動方式、ボディカラーを好みで選べるのが特徴です。キャビンスペースは脱着式になるため、荷物として扱われるそうですよ。

J-Cabin Mini J

広々としたリビング

J-Cabin Mini J

足元にヒーターを装備

 

軽ながらバンクベッドを備え、リビングスペースも広々。もちろん大人がゆったり寝ることができます。外部電源、クーラーとヒーターなども備わります。荷台に載せるだけなのですでに持っている車両を持ち込むこともできますが、重いものを載せるため足回りの補強がオススメとのこと。

 

AUTO ONE「給電くん」

軽キャンパー

AUTO ONE 給電くん

走行中の充電が可能なバッテリーを備え、家庭用100Vの外部出力を可能にした給電くん。担当者に伺ったところ、最近はキャンピングカーとしてだけでなく災害時のシェルターとしても需要があるそうです。

ベース車両はスズキエブリイバン。ノーマルタイプは149万9000円から、ポップアップルーフタイプは214万8000円からになります(撮影車両価格291万4575円)。ポップアップタイプなら就寝人数は4人に。

給電くん

ポップアップテントをルーフ上に装備

エンジンが非力な軽キャンパーの弱点は、装備を充実させ車重がかさむと走行性能の悪化や燃費低下が避けられないこと。給電くんは家具にヨットで使用される木材を利用。軽量化に貢献するのはもちろん、耐久性と見た目の豪華さも兼ね備えています。

給電くん

ヨット用の木材を用いて軽量化

 

西尾張三菱自動車販売「デリカ D:POP」

デリカ

デリカ D:POP

構造要件を満たしたキャンピングカーは8ナンバー登録となります。かつては8ナンバー車に税金などさまざまなメリットがあったため、登録時だけ大排気量車をキャンピングカーや広報宣伝車にして8ナンバーにするやり方が横行しました。このような不正を防ぐため、現在では税金や保険などトータルで見ると金額がほとんど変わらなくなっています。

デリカ

ポップアップルーフ

そこで、あえて8ナンバーにせず快適な就寝スペースに特化した「車中泊車」が登場。水道設備などがない分コンパクトにできるため、普通のミニバンでも快適に過ごせるのが特徴です。デリカ D:POP(撮影車両価格443万1720円)も車中泊車のひとつ。ミニバンにSUV並みの4WD性能を備えたデリカD:5をベースにポップアップルーフを架装。

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多くの人が街中でも使っているクルマですから、日常で扱いに困ることはまずありません。搭載される電子制御4WDはダイヤル式のドライブモードセレクタで「2WD」「4WD AUTO」「4WD LOCK」を切り替え可能。オプションのサブバッテリーシステムやソーラーシステム、ベッドキットを選べば快適性はさらに高まりますよ。


 

キャンピングカーで家族の思い出を作ろう!【ファミリーモデル】3選

 

小さな子どもと一緒にアウトドアを楽しみ、思い出をたくさん作りたい。キャンピングカーとしての快適性と走行性能を両立させたい。そんな人にお勧めなのがバンコンバージョンと呼ばれるキャンピングカーです。トラックベースのキャブコンに比べて横風の影響などを受けにくいので、高速道路を使ったロングドライブを楽しみたい人からも支持されています。

ハイエースやNV350キャラバンなどの1BOXカーの中にリビングスペースやシンクを設けたタイプで、ベッドは組み立て式。1段で2人就寝、2段にして4人就寝などビルダーによりいろいろなタイプが発売されています。インテリアを豪華にしたものから価格にこだわったものまで様々なので、予算に応じて選ぶことができるのも特徴。

 

ANNEX「COMPOSER with FAMILY」

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ANNEX「COMPOSER with FAMILY」

 

日産NV350キャラバンの標準ボディをベースにしたコンポーザーシリーズ。ワイドボディにしなかったのは田舎道での利便性を考慮したからとのこと。3泊~1週間程度の旅を想定して設計されているのが特徴です。

 

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2段ベッドとポップアップルーフを装備して6人が就寝可能

 

今回紹介するのは家族で楽しむことができるコンポーザー・ウィズ・ファミリー(撮影車両価格475万1200円)。広めのリビングを設置しているのはもちろん、室内のベッドを2段にして4人就寝可能にし、さらにポップアプルーフを設けることで6人まで就寝可能になっています。

家族で楽しむのはもちろん、数ファミリーでキャンプするときに子どもたちの秘密基地として使うのもよさそうですね。リビングのテーブルはレール式になっているため、自由に動かすことができます。

 

フォルクスワーゲン「カリフォルニア コンフォートライン」

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フォルクスワーゲン「カリフォルニア コンフォートライン」

 

VWが長く製造を続ける1BOXカーの最新モデルであるT6。2015年にデビューしたこの車両をVWの商用車部門がキャンピングカーに仕立てたのがカリフォルニアです。今回紹介するカリフォルニアコンフォートライン(撮影車両価格1490万4000円)は、トーワモータースが展示・販売していました。

 

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全長4904mm×全幅1904mm×全高1968mmというサイズを大きく感じる人もいるでしょうが、全高以外は概ね輸入SUVと同等。そう考えれば街中での取り回しに困ることは少ないはずです。

前席は回転式なのでテーブルを挟んで向かい合ったリビングにすることが可能。室内ベッドとポップアップルーフで4人就寝できます。国産バンコンに比べて値段がかなり張りますが、予算に余裕があり人と違うモデルに乗りたい人なら考えてもいいかも!

 

KATO MOTOR「ディーディー」

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KATO MOTOR「ディーディー」

 

ハイエースのキャビン上にバンクベッドを設置。居住スペースもワイド化、ハイルーフ化して、1BOXベースとは思えない居住性を実現した「ディーディー」(撮影車両価格694万2240円)。

どちらかというとキャブコンに近い形ですが、架装にあたりルーフ以外ボディを切っていないのでバンコン扱いになるのだとか。ワイド化したボディはFRPを貼り付けています。

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室内高2100mm以上、最大室内幅1800mm以上というスペースを活かし、バンクベッドのほかにリアに常設ベッドと2段ベッドを設置。乗車定員は5人で、就寝人数は大人4人+子ども1人を実現しています。天井には8層、壁と床には6層の断熱材が入っているので、雪国での使用にも対応できるそうです。


 

いつか旅してみたい。夢のキャンピングカー&キャンピングトレーラー3選

クルマを複数台持てない場合、キャンピングカーは旅以外に日常利用でも活躍してもらわなくてはなりません。そのため軽キャンパーや車中泊仕様のミニバンに注目が集まります。しかし普段使いのクルマと広い駐車場があれば、大きなキャンピングカーに乗ってみたい。そういう人も多いはず。最後はみなさんの妄想を広げてくれるモデルを紹介しましょう。

エアストリームジャパン「AWクルーザー」

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エアストリームジャパン「AWクルーザー」

 

エアストリームとはアメリカを代表するキャンピングトレーラー。シルバーの長いボディを引っ張り広大な大地を旅するのは、ラグジュアリーさに溢れた夢のスタイルです。そんなエアストリームの正規輸入・販売代理店であるエアストリームジャパンがものすごいモデルを製作、参考出品していました。

 

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キッチンには三口コンロ、電子レンジ、冷蔵庫を完備

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リビングにベッド、壁には液晶テレビまで!

 

パリダカに出場していそうなトラックに高さのあるバンクベッドを設置。居住部分はL字ソファに2ドア冷蔵庫、3口コンロなどが奢られています。広さといい装備内容といい、もはや1ルームマンション。

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キャンピングトレーラーをけん引する

 

さらに長いキャンピングトレーラー(これは3輪バギーのガレージ)をけん引して走ろうというのだからワイルドすぎ! こういうモデルで見渡す限り地平線の荒野を旅してみたいですね。

 

タバートジャパン「ホワイトエッグ」

ホワイトエッグ

タバートジャパン「ホワイトエッグ」

 

ドイツのタバート社が製造する小型キャンピングトレーラー。トレーラーは運転のことを考慮せず室内をフルに居住スペースに充てられるため、小さくても快適に過ごせるのが魅力。一方でけん引免許の問題が出てきます。しかし法規上は750kg以下のキャンピングトレーラーはけん引免許が必要ありません。ホワイトエッグ(238万円)は560kgなので、普通免許で楽しむことができるんです。

 

 

ホワイトエッグ

ホワイトエッグ

キッチン付きのリビング

 

大人5人がゆったり過ごせるリビングは、3人が余裕を持って寝られるキングサイズのベッドになります。キッチンやリビングもゆとりを持って作られているため旅先でのんびり過ごせますね。そしてこのトレーラー最大の魅力が専用設計されたタープです。卵のようなボディにピッタリはまるので、外で日差しに悩まされる心配も無用。ボディには耐久性に優れたアルミニウムを採用。

 

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ホワイトエッグ

 

 

トランキル・グローブ「T.Globe 16」

トランキル・グローブ「T.Globe 16」

トランキル・グローブ「T.Globe 16」

 

ビンテージ感漂う丸みを帯びたボディが特徴的なT.Globe 16(343万3000円~)。かわいらしくもどこかヘビーデューティーな雰囲気があるキャンピングトレーラーは、16フィートという余裕あるサイズにシャワートイレ、クローゼット、Wベッド、ソファベッドなどを設置しています。

 

トランキル・グローブ「T.Globe 16」

トランキル・グローブ「T.Globe 16」

 

このトレーラーはもともとアメリカのカシータ社のもので、トランキル・グローブの社長はサラリーマン時代から愛用していたそうです。しかしアメリカと日本の気候の違いから断熱材などが傷みやすかったそう。

そこで社長が本国にかけあい、日本の四季に合わせたオリジナルモデルの製作が実現。それがT.Globeです。16フィートと聞くとけっこう大きく感じますが、社長はスバルアウトバックで引っ張っているそうですよ。

展示ブースはビンテージ・コールマンやミリタリーアイテムが所せましと並べられていました。これらはすべて社長の私物だそうです。レトロ感あるキャンピングトレーラーとビンテージキャンピンググッズの組み合わせは優雅なアウトドアライフを約束してくれそうですね。

 

(文/高橋 満<BRIDGE MAN>

takahashi mitsuru

たかはしみつる/ライター、エディター

 

1970年、東京都新宿区生まれ。ガテン、B-ingなど求人誌の編集部を経て、カーセンサー編集部に。独立後は音楽誌、クルマ誌の編集に携わりながら多くの媒体で執筆。現在はクルマ、アウトドアなどをフィールドにすると同時にさまざまなテーマで著名人へのインタビューを担当。

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