<人気端末部門 代表>
●iPhone 6s
1200万画素/デジタル式手ブレ補正機能搭載※/高感度撮影機能なし
(※iPhone 6s Plusは光学式手ブレ補正機能を搭載しています)
<ジャパン最新部門 代表>
●Xperia Z5(右)
2300万画素/電子式手ブレ補正機能+インテリジェントアクティブモード搭載/高感度撮影機能あり
●AQUOS ZETA SH-01H(左)
1310万画素/光学式手ブレ補正機能対応/高感度撮影機能あり
<SIMフリースマホ部門 代表>
●HUAWEI MateS(下)
1300万画素/光学式手ブレ補正機能対応/高感度撮影機能あり
●ZenFone Zoom(上)
1300万画素/光学式手ブレ補正機能対応/高感度撮影機能あり
比較した項目は下記の3つです。
- 手ブレ補正機能: 動画を滑らかに撮影できるか?
- 接写機能: 近くで撮影できるか?
- 暗所撮影機能: 暗い場所で撮影できるか?
【1】手ブレ補正性能
手ブレ補正機能に対応していると、動きながら動画を撮影したり、ズームで写真を撮る際に、ブレが生じにくくなります。シャッターチャンスを無駄にしないためには、重要な項目です。
それでは早速、検証していきましょう。
<条件>
会議用デスク(約1.8m)の端に被写体を設置し、反対側の端からスマホで動画撮影を行ないました。
撮影者は、片手でスマホのレンズと反対側の端を持ち、肩の高さで肘を伸ばした状態で椅子に着席。スマホがデスクの端に揃うように調節し、そこからズーム機能を使って、被写体をアップで撮影しました。
なお、端末に搭載されている手ブレ補正関連の機能は、全てオンにしています。
<検証結果>
iPhone 6s
撮影時の画面ではかなり震えていた印象でしたが、デジタル補正が利いて揺れは最小限に留まっている印象です。雑誌上部の文字も読めます。ただし、補正の影響か、若干ビリビリした感じに。ズーム機能は他機種と比べて少し弱いです。
Xperia Z5
滑らかに撮れています。画質はややボケている印象を受けました。雑誌上部の文字は読めません。
AQUOS ZETA SH-01H
小さな揺れは残りますが、自然な画質が好印象です。雑誌上部の文字も認識できます。
HUAWEI MateS
非常に滑らかに撮影できています。コントラストは強めです。しかし、雑誌上部の文字はボケてしまっています。
ZenFone Zoom
光学3倍ズームを搭載しているため、画質は最も綺麗。手ブレもほとんど感じられません。
<まとめ>
手ブレ補正機能に関しては、意外にもSIMフリー勢が優勢といった印象でした。画質については光学3倍ズームに対応するZenFone Zoomが断トツ。次いでAQUOS ZETAが良好な結果となりました。なお、今回は除外していますが、もし光学手ブレ補正対応の「iPhone 6s Plus」がエントリーしていたら、上位にランクインしていることでしょう。
【2】接写機能
続いて、「接写機能」について検証していきます。要するに、近くにある花や小物に対して、デジタルカメラ並みのマクロ撮影を行なえると、普段とは一風違った写真になるわけです。各機種で撮影可能な最短距離を作例で比べてみました。
<条件>
充分に明るい室内に被写体を設置し、スマホのカメラを使って被写体を撮影しました。徐々に撮影する距離を縮めていき、ピントが合う一番近い距離の写真を検証結果としました。
<検証結果>
iPhone 6s
かなり近くまで被写体に寄れますし、色味も自然でした。
Xperia Z5
そこそこ寄れました。限界まで被写体によっているので、輪郭が少しぼやけてきています。
AQUOS ZETA SH-01H
これぞ接写です。さすがAQUOSのカメラと思わせる性能でした。
HUAWEI MateS
これくらいが限界。接写には向いていないようです。
ZenFone Zoom
AQUOS ZETAまでとはいきませんが、かなり善戦しているのではないでしょうか。
<まとめ>
接写対決はAQUOS ZETAが断トツで勝利。続いて、ZenFone Zoomもかなりの好成績を残しました。あと、やはりiPhoneは使い勝手がよいですね。上の2端末ほどではありませんが、近距離撮影も無難にこなしてくれました。
また、Xperia Z5やZenFone Zoomなどは、シャッターボタンの半押しでフォーカスを合わせられます。ディスプレイをタッチせずにカメラ持ちで撮影できるのは非常に便利です。
【3】暗所撮影機能
最後に暗所撮影を検証しました。暗所撮影機能があれば、「せっかく記念撮影したのに真っ暗」なんて事態を防げるはずです。
<条件>
薄暗い廊下の棚の上に被写体を設置し、およそ20cmの距離からスマホのカメラで撮影しました。各機種に搭載されている暗所撮影関連の機能は全てオンにし、暗所撮影機能が搭載されていない機種はISO感度や露光、シャッタースピードなどを調整し、明るく綺麗に撮れた写真を検証結果としました。なお、iPhone 6sのみ同様の機能が無いので、撮影後の写真を「編集」で調整しています。
ちなみに撮影した場所は、どのくらいの暗さかというと……
コレくらいです(※上記の画像は肉眼で感じる暗さに合わせて加工しています)。
<検証結果>
iPhone 6s
暗所撮影モードがないので撮影後の「編集」で明るさを調整しました。荒さが少し目立ちます。
Xperia Z5
「高感度撮影」モードを利用しました。肉眼で見たものに近い色あいと質感が再現されているように感じます。
AQUOS ZETA SH-01H
「Night Catch」モードで撮影。かなり明るく撮れています。被写体の質感もなめらかです。
HUAWEI MateS
マニュアル撮影で露光時間とISO感度などを調整して撮影。非常に明るく仕上がりました。カメラに詳しい人が撮ればもっと上手く撮れると思います。
ZenFone Zoom
「ローライト」モードをオンにして撮影。明るく綺麗に撮影できていますが、少し質感に粗さも感じます。
<まとめ>
被写体の質感を忠実に撮影できたのはXperia Z5でした。一方、手間を掛けずに素早く撮るという点では、AQUOS ZETAやZenFone Zoomも好評価です。MateSについては、シャッタースピードを変えるなど、かなり本格的な撮影が可能ですが、やや上級者向けですね。
【結論】
今回行った検証では、どの端末も一長一短あることが分かりました。画質にこだわるならAQUOS ZETAやXpeira Z5などのキャリアスマホがおすすめでしょう。また、iPhone 6sも手軽に綺麗な写真が撮れますが、暗所撮影は苦手のようです。一方、SIMフリースマホでも撮影を楽しみたいなら、ズームしてもキレイに撮れるZenFone Zoomがオススメ。MateSはマニュアルモードを使いこなす必要が出てくるので、ある程度カメラの知識がある人の方が楽しめそうです。
(文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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