■フィット感は上々!
海外では先行発表されていた「Galaxy Buds+」、中身から高性能です。イヤホンを再生するドライバーはトゥイーターとウーファーの2way仕様で、サムスン傘下のAKGによる音質チューニングを施しています。それでいて、本体サイズが予想外に小さい。
完全ワイヤレスイヤホンでも当然人の目は気になるわけですが、前から見ても耳からの出っ張り具合が小さい。ちなみに重量は実測6.3gと中程度です。
小型イヤホンはフィット感が心配になりますが、イヤーピースは3サイズ付属。ウイングチップ付きなので、耳の内側にしっかり固定も可能です。ただし、公式には防水性能を謳っていないのでスポーツ用として使う場合はご注意を。
操作はタッチ式で、左右どちらも1回タップで再生/停止、2回タップで曲送り/曲戻し。音量操作はデフォルトでは割り当てられていませんが、アプリを使えばタッチパッド長押しに設定可能です。
iPhoneと組み合わせる際、設定アプリは“Galaxy Buds+”を利用します。ちなみにAndroidでは“Galaxy Wearaable”や“Smart Things”と、利用するアプリが異なります。
バッテリーはイヤホン単体で最大11時間、充電ケース併用で最大22時間時間の再生。スマホメーカーらしくQi規格のワイヤレス充電にも対応します。
■本領発揮はアプリで音の設定を変えてから
では気になるサウンドをチェック。イコライザーは豊富なのですが、まずは“標準”から聞き込みます。
宇多田ヒカルの『あなた』では、音の純度と繋がりに優れた予想以上にピュアなサウンド。特定の帯域に癖がなく、歌声もバンド演奏も埋もれがちなオーケストラの演奏も丁寧で、ややハイに鮮やかさがある程度。BrunoMarsの『24 Magic』の重低音も自然な音圧感と迫力、空間で再現。こんなに素直な音を出すワイヤレスイヤホンは珍しいですね。
そして「Galaxy Buds+」が本領発揮するのはここから先。iPhoneでアプリからイコライザーを設定していきます。重低音がほしい場合は“低音ブースター”。歌声をカチッと立たせる場合は、“クリア”や”ダイナミック” “高域ブースター”など微妙なニュアンスの選択肢があります。あれ、これ一台で結構細かな音の好みまでカバーできるんじゃ…。
そして「周囲の音」機能も3段階で選べて、軽く外の音が聴こえる程度から、周囲の話し声がクリアに聴こえるくらいまで選べるというのも便利。音途切れは都内で数日試した中ではありませんでした。
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最近のモデルとしては貴重な、小さくてシンプルというだけでなく、付属品+アプリでカスタムという発想もなかなか。1万円台の完全ワイヤレスイヤホンを探しているなら、iPhoneユーザーでもあえて「Galaxy Buds+」という選択、大いにアリです!!
>> [連載]イヤホンレビュー
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(取材・文/折原一也)
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