■温めと炊飯の同時調理
お次はプチ飯ごう炊爨(はんごうすいさん)してみます。炊爨というのは食事を作るという意味だそうで、炊飯だけでなくおかずまで作っちゃうということになるでしょうか。そこでピンと来たのがカレー。といっても1人分なので、レトルトカレーを温めることにしてみます。
中子にレトルトカレーを投入。全部入るか心配でしたが、なんとピッタリ。
米を研いで浸水が終わった本体に、カレーを入れた中子をセットして火にかけます。あとはご飯を炊くときと同じ。出てくる湯気はカレーの香り!
炊き上がり蒸らしを終えてフタを開けると、カレーもホカホカ。ご飯もちゃんと炊けていました。
ご飯をかきまぜたら、カレーを投入。この飯ごうから直接食べるスタイルがいいんですよね。そもそも食器でもあるわけだし。
■見事に真っ黒コゲ!
次は炊き込みご飯に挑戦してみます。
用意したのは味付けイカの缶詰。今回は2合炊き。
研いで浸水させた米に缶詰を投入。さらに酒と醤油を少々入れました。あとは炊くだけです。
さすが2合。思いっきり吹きこぼれました。いやーこれこそ飯ごうだよね。でも自宅のキッチンだからあとで掃除しなきゃいけないですが…。
炊き上がりまでの時間は1合よりは長め。1合の時は火にかけている時間は約6分でしたが、2合になると10分以上かかりました。
それにしても、イカの香りがキッチンに漂います。いい出汁でてくれよ。
蒸らしが終わりフタを開けると、いい感じに炊けてるじゃないですか! でもちょっとコゲたニオイも…。
底までご飯をすくってみると、見事にコゲ付いていました…。醤油も入れたので、まぁ仕方ないか。
仕上がりは上々。でもわざわざ醤油入れてコゲつかせたわりには、味は薄め。ご飯にほんのりイカの味が付いているぐらいです。これなら1合でよかったかも。
そして飯ごうの底は、見事に真っ黒。あとで亀の子束子でゴシゴシ洗いましたが、さすがに元通りはならず。でも、それも味です。
何度か使っていると、塗装が剥げたり汚れがこびりついたりと、ちょっとだけ貫禄が付いてきました。こうやって自分の道具にしていく感覚は、まさにアウトドア用品ならではです。
最近はトランギアの「メスティン」でご飯を炊いてばかりいましたが、昔ながらの”兵式飯ごう”も悪くない。いやむしろいいかもしれない。
ソロキャンプ用としては4合飯ごうはちょっと大きいけれど、ラーメン作ったり、パスタを茹でたり、フタを使って食材を炒めたりと、これひとつで何役もこなせる万能調理器具です。アルコールストーブと五徳と燃料ぐらいなら余裕で入るし、ついでに米だって入れておける。そして、焚き火に直接突っ込める!
煤だらけになって、ゴシゴシ洗って塗装がハゲてしまった使い込まれた飯ごう目指して、次のキャンプに持っていこうと思います。家で炊いてもこれだけおいしいなら、キャンプで炊けばきっともっとおいしく感じるはず。
本当は、1合炊きにピッタリな陸自の制式装備「戦闘飯盒2型」のレプリカが欲しかったんですよね。サイズが小さく、ソロキャンプにはピッタリだなと。ところがどこにも売っておらず…。でもこのロゴスの「ハンドル付きハンゴウ」、使ってみると悪くない。いやむしろこれで十分だなって。まずはこいつを相棒にすべく、使い倒してやろうと思っています。
>> ロゴス
ハンドル付ハンゴウ
・本体重量:約315g
・素材:アルミニウム
・容量:約2.2L(本体)、約0.5L(ふた)、約0.3L(皿)
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(取材・文/円道秀和<&GP>)