【アルト ワークス試乗】シフトフィールが絶品!走りの完成度は軽の常識を超えた

新型アルト ワークスのフロントシートには、ドイツ・レカロ社製のスポーツシートがおごられます。簡素なインテリアには不釣り合いなほどに、立派なサイドサポートが張り出し、分厚いクッションを持つバケットタイプ。着座位置は、やや高め。

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レカロシートに背中を抱かれ、いざ、5速MTモデルのクラッチを踏んで走り始めると、ロウからセカンドに入れる瞬間に「オッ!?」と思い、セカンドからサードにギヤを上げる際に「オオッ!」とビックリ。そして、サードからフォースに…といった具合に、ギヤチェンジのたびに、ドライバーはうれしくなります。

シフトフィールが実にいいんです! ストロークが短くて、スッ、スッと次のギヤが入る。そうとう感度の鈍いドライバー(←私です)でも、如実に分かるデキの良さ。これは感動モノです。

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普通乗用車のマーケットでは、今や絶滅危惧種に分類されそうな3ペダル式マニュアルギヤボックス。軽自動車の世界では相対的に健在ですが、あくまで発展途上国市場をも視野に入れた“廉価ギヤ"(失礼!)の側面があることは否定できません。

そんな中、アルト ワークスの5スピードギヤボックスは、ショートストローク化を果たした専用設計部品なんだとか!

軽くスムーズな操作フィールのため、シフトレバーの位置決めを、レバー本体から、実際にギヤボックスを操作するシフトタワー側に移し、それぞれのスプリングを入念に調整。また、双方をつなぐケーブルまわりにも手が入れられ、ダイレクトな変速フィールを得ています。

「数が出る」とはいいがたいいアルト ワークスに採用された専用構造パーツ。今後、下位グレードや輸出モデルに展開し、開発費を回収するのでしょうか? 余計なことですが、ちょっと心配になるほどです。

そのほか、変速操作時にギヤの回転数を合わせるシンクロ機構は、2速が“ダブルコーンシンクロ”を採用しました。これにより、より素早いシフト操作が可能になっています。また、1〜4速のギヤレシオをクロスさせることで、変速時にエンジンの美味しい回転域=パワーバンドをキープしやすくしています。その結果、7000回転まで回した際、1速では48km/h、2速では78km/hまでしかカバーできません。これだけ見ても、加速重視のギヤレシオということが分かります。

 ■エンジンと足回りもワークス専用の設計

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