2015年のフランクフルトモーターショーでデビューを果たした新しいA4。80の時代から数えると、40年以上にわたって120万台を超える台数が生産された、アウディの主力モデルです。
ニューA4を初めて目にした人は「カッコ良くなったのは分かるけど、ドコが変わったのかよく分からない…」と感じるかもしれません。
旧型よりちょっぴり長く(4735mm)、幅広く(1840mm)、そして低く(1430mm)なりました。表面的なデザインはキープコンセプトながら、“ワイド&ロウ”な、よりスポーティなフォルムになっています。なんだか、ポルシェ「911」みたいなモデルチェンジですね。“A4”を表す記号としてのデザインが、それだけ完成されている証拠です。
一方、クルマの基本となるプラットフォームは、先代の“MLB”から“MLB evo”に進化しました。MLB evoは、ベースとなる車台から、これまで以上に多彩なタイプと大きさのクルマを生み出せるシステムで…というと、「それ、自動車メーカー側の都合じゃない?」と思う方がいるかもしれません。そのとおりです。でもそのおかげで、ユーザーは車種を問わず、安定した品質のクルマを受け取れるのも、また事実なのです。
興味深いのは、“エンジンを縦置きにレイアウトする車種のための枠組み”であるMLBがMLB evoとなったことで、従来のエンジン、トランスミッション、シャーシに加え、車内のディスプレイや操作系、運転者支援システムといった電子部品の共有化も推進されたこと。今後クルマの優劣は、伝統的な動力性能の競争はもとより、いよいよコンピュータ的な機能の善し悪しで判断されるようになるのでしょう。
速く、快適かつ安全に走るのは当たり前。その上で、乗る人にどれだけ素晴らしい体験をしてもらえるか、が問われる時代になったとさえいえます。例えば、峠でタイヤを鳴らして走っていた代わりに、これからは自動運転で安楽に目的地へ…。守旧派のクルマ好き(←私です)としては、ちょっと複雑な気分です。
さて、日本で販売されるアウディA4は、今のところ大きく分けて2種類。18.4km/Lのカタログ燃費を誇る2リッター直列4気筒ターボ(190馬力/32.6kg-m)を搭載するFF(前輪駆動)モデル「2.0 TFSI」(518万円)と、エンジンチューニングの度合いを上げた2リッター直4ターボ(252馬力/37.7kg-m)を積む4輪駆動モデル「2.0 TFSI クワトロ」(597万円)です。ちなみに後者のカタログ燃費は、15.5km/Lとなります。
それぞれに、インテリアとエクステリアをスポーティに装い、スポーツサスペンションを装備した仕様「スポーツ」が用意されます。価格は「2.0 TFSIスポーツ」が556万円、「2.0 TFSI クワトロ スポーツ」が597万円です。
さらに! それぞれのスポーツに「Sライン パッケージ」(35万円)をオプション装着すれば、もっともっとスポーティなルックスに変身できるのです!!