■よく考えられたストーブの構造
テントは、通常のテントと工程が変わらないので簡単に設営できましたが、問題はストーブです。
アウトドアストーブの煙突を差し込むくらいはしたことがありますが、ここまでバラバラなものを組み立てた経験はなし。
まずは構成パーツ(ストーブ、タンク、タンクカバー、ベース、バンド2本、保護スクリーン、蒸気加熱器、Φ90mm煙突1本、テーパー煙突3本、Φ75mm煙突1本、フィン2本、蛇口、パッキン2枚)をテント内に広げます。
本体の中にすべてのパーツがきれいに収まっているで、最初に収納状態を撮っておけば、戸惑うことなく片付けることが可能。
ストーブの組み立ては、ストーブセクションと煙突セクションに分かれます。
まずはストーブセクションから。
煙突開口部の真下に保護スクリーンを置き、その上にベース、ストーブ本体、タンク、タンクカバーとのせていきます。
タンクカバーをのせたら、タンクとタンクカバーが外れないよう金属製のバンドで2カ所を留めます。
その後、タンクに蛇口を取り付け、ストーブセクションは終了。作業自体は想像以上に簡単!
取扱説明書が図入りで、これでもかというくらい懇切丁寧に書いてあるので、よく読めば間違えないはず。
最後に煙突セクション。タンクカバーの上に蒸気加熱器(フィンを入れた二重構造の太い煙突)を差し込み、さらにΦ90mmの煙突を差し込みます。
3本の煙突(Φ85>Φ80mm、Φ80>Φ75mm、Φ75>Φ70mm)と組み合わせ、Φ90mmの煙突とつなぎ合わせたら煙突セクションの終了です。
外側からはこんな感じです。最後に、たわみがないよう張り綱を張れば完成です!
テントにストーブが当たって溶けないよう、ストーブとテントの間を30cm以上、蒸気加熱器とテントとの間を20cm以上空けましょう!
■タンクに水を入れて、薪を燃やしていざ!
換気口を開け、別売のサウナベンチ(2万8000円/税別)をセットすれば、いよいよサウナ本番。
まずはタンクに水を入れます。水は沸騰して噴きこぼれないよう、タンクのフタから5cm下まで注ぎ、しっかりと閉めます。
そしていよいよ着火! 焚き付けを入れ、細い針葉樹から入れて炎が上がったら、広葉樹を投入し、火力を安定させます。
ストーブには最大24cmまでの薪を投入可能。焚き火台のように薪を井桁に組めませんが、下から冷たい空気が入るので効率よく燃焼します。
火が安定すると徐々に蒸気がテント内に充満し、いよいよサウナタイムです。
噂に違わぬ気持ち良さ。2日間入りましたが、クセになるのも分かります。
今回の場所には川はありませんでしたが、外に出るだけで十分クールダウン。日中に入れば景色も楽しめるし、最高に贅沢な大人の外遊びといえます。
いつかあの写真のような風景へと妄想は膨らみました。
* * *
初めて設営した結果、完了までに約30分。慣れれば、取説を見なくても20分で組み立て完了できると思います。
実際に組み立てみて、想像以上に簡単で驚きました。強い味方となったのが、こと細かに書かれた取説!
イラストとテキストがびっしり書き込まれ、本当にかゆいところに手が届く仕様でした。
そのままでも楽しめますが、状況に合わせて用意しておくといいモノが3つあります。
1つ目は、ペグ。付属のペグは、シンプルなL字型のピンペグなので、河原で張る場合は、硬い地面に対応できるペグを別途用意した方がいいかもしれません。
2つ目は、ノコギリ。ストーブには最大24cmの薪を入れられますが、市販されている薪の多くは長さ30〜40cm。今回もテント内にノコギリを持ち込み、切りながら入りました。ちょうどいいサイズの薪を用意できない時のためにノコギリを持っていた方がいいでしょう。
3つ目は、金属製のアウトドアケトル。ストーブのウォータータンクに水を入れるだけならジャグで問題ありませんが、サウナ後にストーブのウォータータンクからお湯を出して浴びる場合、プラスチックだと変形するおそれがあるので、金属製のものがあるといいかもしれません。
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文/澤村尚徳<&GP>